③食塩が胃を傷つける

パンには食塩も多く含まれています。

食塩なしに、あのもちもち感は出ないようです。

「食塩の取りすぎはよくない」ということは、すでに多くの人がご存じでしょう。理由としては、「高血圧になるから」と理解している人が多いと思いますが、実際はそれだけではありません。

食塩は消化管粘膜への刺激が強いことが問題なのです。その刺激性により、胃がんの発生原因になることも疫学調査で判明しています。食塩を多く摂ることにより胃の粘膜を保護している粘液を破壊し、粘膜を傷つけ、慢性的な炎症を引き起こすことが原因とされています。

睡眠中にせっかく胃の粘膜が修復されたのに、翌朝に塩分が多く含まれたパンを食べると、消化が悪い小麦と食塩の刺激によりさらに胃の負担が増し、調子を崩す原因になります。

④加熱調理が体を“焦がす”

小麦の主成分であるデンプンは、生の状態ではβデンプンといわれ、加熱せずに食べると消化・吸収されにくいため、多量に食べると下痢になってしまいます。消化・吸収しやすくするためには、加熱してβデンプンからαデンプンにする必要があります。

お米も生では硬くて食べられませんが、炊くことでふっくらと柔らかくなるのは、そのためです。

さらに、小麦をパンにするためには、お米をご飯にするよりも高熱処理をしなければなりません。加熱されると、タンパク質と糖が結びついて、AGE(終末糖化産物)という老化物質がつくられます。

わかりやすい例でいえば、ホットケーキやトーストのこんがり焦げた褐色の部分などがAGEです。

パンケーキ
写真=iStock.com/NRedmond
※写真はイメージです

血中の余分な糖質は、血管壁のコラーゲンなどさまざまなタンパク質に付着します。

この反応が進行するとAGEができるとして、「身体のコゲ」とも呼ばれています。

AGEは、糖尿病合併症を引き起こす重大な要因の一つともいわれますが、それだけではありません。体内のタンパク質や脂質と結びついて細胞などを劣化させ、コラーゲンに影響した場合にはシミやシワの原因になります。

さらに、血管、腎臓、筋肉などの臓器に炎症を起こしたり、蓄積すると動脈硬化や心筋梗塞、脳梗塞、がんに発展するとされています。

AGEは食事由来以外にも、体の中で高血糖によってもつくられますが、食事由来のAGEは消化分解が極めて難しく、未消化のまま吸収されるため、食品に含まれるAGEの約7%は排出されずに体内に蓄積されてしまいます。

こんがり焼いたパンやホットケーキなどは、見た目も食欲をそそりますが、消化不良により腹痛を起こす原因にもなり得ます。

ただし、大きな問題となるのは体内でつくられるAGEであって、食事由来のAGEは臓器に与える影響は少ないと考えられています。そのため、神経質になる必要はないのですが、消化管にとっては大きな負担がかかる食材であることは認識すべきでしょう。