納得させてくれる「因果関係系」と、シンプルな「ストレート系」など

〈遠ざかるほど 尿はねします。もっと前へ〉

因果関係を提示することで、こぼすことへの恨みをにじませた貼り紙もありました。どこかの居酒屋で採取したと記憶しています。

因果関係を提示する注意書き
筆者撮影

注意書きの変形バージョンが、小便器自体に貼られているマトのシール。そこを狙わせることで、こぼしたり飛び跳ねたりすることを防ぐ効果があるようです。山奥の道の駅で遭遇したのが、小便器にマトのシールを貼り、さらに〈黒いマトを狙ってください〉と呼びかけて仕組みを図解している注意書き。これも「因果関係系」の一種と言えるでしょう。

道の駅で遭遇した注意書き
筆者撮影

忍者の町の公共施設にあったのが、感謝系と因果関係系の「忍法・合わせ技」バージョン。〈『いつもきれいに清潔に』 ご協力いただき、ありがとうございます〉と、まずは感謝のメッセージでこちらに自覚を促した上で、

御茶ノ水駅の注意書き
筆者撮影

〈こぼさないコツは気持ち一歩前です〉

と、失敗しないための具体的な方法を提示してくれています。

近所のファミレスにあったのが、ストレートに〈一歩前へお願いします〉とだけ書かれたテープが貼ってある注意書き。とあるローカル線の駅には、もっとシンプルに「一歩前へ」とだけ書かれているものもありました。

足跡のイラストともに〈もう一歩前へお進みください。〉と書いてある御茶ノ水駅の注意書きは、因果関係系とストレート系のハイブリッドと言えるでしょう。

さすが中国三千年の歴史! 注意書きもスケールがでかい!

外のトイレに入って、こうした注意書きを見るたびに、いつもきれいに掃除してくださっている方への感謝の念を抱かずにはいられません。絶対にこぼさないようにしようと気持ちを引き締め、しっかり一歩前に出るのは言わずもがな。

さまざまな注意書きを見てきましたが、ケタ違いにスケールが大きかったのが、先日、池袋の中華系フードコートで遭遇したもの。本場の味をお手軽に楽しめるのが売りの施設で、スタッフは全員中国人です。そこのトイレの貼り紙には、こう書かれていました。

〈向前一小歩、文明一大歩。一歩前に進み、文明が大きくなる。〉

池袋の中華系フードコートで遭遇した注意書き
筆者撮影

自分の小さな一歩が、文明の大きな一歩につながるというニュアンスでしょうか。さすが中国、スケールが違います。ただ、感心してSNSにアップしたところ、中国語に詳しい知り合いが「中国語の『文明』には『マナー』という意味もある」と教えてくれました。

なるほど、だとすると「ここで一歩前に出ると、あなたのマナー力は大きく向上する」ぐらいの感じでしょうか。お店の人の翻訳が大ざっぱだったのかもしれません。それはそれで中国っぽいスケールの大きさが伺えます。

少なくとも「一歩前」を促す注意書きは、日本だけのものではないとわかりました。こぼすひとがいるのは、きっと万国共通です。ただ、欧米の場合は、いまいちピンと来なさそうだから「君のはそんなに長くない」系はないかもしれません(偏見)。

今後も小便器の前に立ったときには、自分が一歩前に進めば「文明が大きくなる」ぐらいの気概を持ちつつ、力を込めて放出したいものです。いや、力を込めすぎるとはねますね。力を抜いて、雄大な気持ちで放出しましょう。

【関連記事】
何歳になっても気持ちのいいセックスをしたい…そんな欲深なオジサンたちに女医が教える「夜の生活習慣」
「床上手」とはどういう意味か…江戸時代の遊廓で女性たちが体現していた「色好み」【2021編集部セレクション】
「仕事やお金を失ってもやめられない」性欲の強さと関係なく発症する"セックス依存症"の怖さ
子どもに月経や射精について話すときに「絶対使ってはいけない言葉」2つ
「今日、お昼何食べた?」と子供に聞いてはいけない…わが子を賢くする親の聞き方の"絶対法則"