アメリカの歴代大統領も旧統一教会シンパだった
日本のメディアは「旧統一教会と安倍家はズブズブだ」で大騒ぎをしているが、実はズブズブ具合では米保守系政治家も負けていない。
古くはリチャード・ニクソンからロナルド・レーガン、ジョージ・ブッシュ父子など歴代の共和党系大統領はみな旧統一教会シンパとして知られている。また、現在もトランプ前大統領、マイク・ペンス前副大統領、マイク・ポンペオ前国防長官、ニュート・ギングリッチ元下院議長など、旧統一教会系政治団体のイベントで挨拶をするなど、親密な関係だと言われている。
なぜこんなにシンパが多いのか。陰謀論者からすれば「岸信介をはじめ安倍三代がアメリカでも布教活動を手伝ったのでは」と考えるかもしれないが、さすがに安倍ファミリーもそこまでヒマではない。
これはシンプルに、アメリカの保守系政治家と「ウマが合う」ということがある。大統領になったら聖書に手をのせて宣誓するアメリカでは、政治家がキリスト教系団体から支持を受けることにまったく抵抗はないし、設立者の文鮮明氏の反共主義という政治イデオロギーも共和党と親和性が高い。
自民党の国会議員が、神道系の新興宗教から支持を受けていても、世間の反応が「でしょうね」となるのと一緒だ。
巨大な集票装置かつ世論誘導もしてくれる「太客」
そこに加えて、米保守系政治家にとって魅力的なのは、旧統一教会と良好な関係を築くと、ここに「シンパメディア」のおまけがつくという「お得感」もあるからだ。
文氏が1982年に設立した保守系新聞「ワシントン・タイムズ」は、レーガン以降の共和党議員を熱烈に応援してきた。レーガン大統領がこの新聞を愛読していたというのは有名な話だし、20年の米大統領選の時も、アメリカ国内メディアの多くがバイデン氏の支持を表明する中で、トランプ氏支持を表明したのも、この「ワシントン・タイムズ」だった。
宗教という巨大な集票装置の支援を得られることに加えて、保守系メディアで世論誘導までしてくれる。米共和党の政治家にとって、旧統一教会ほど非常に心強い「太客」はいないのだ。
となると当然、日本の保守政治家たちも、旧統一教会と良好な関係をキープするしかない。このあたりの事情は、日本という国家の原則ともいうべき「対米従属」をイメージしていただくとわかりやすいだろう。