延々と右側を走るドライバーは目の前しか見ていない

しかし現実には自分の目の前しか見ないで運転しているドライバーが結構多い。一般道でも高速道路でも、突然車線変更しようとウインカーと同時にハンドルを切るドライバーが、クルマが隣にいることがわかって慌てて戻ったりするのはバックミラーを見ていなかった証拠だ。

右側の追い越し車線を延々と走っているドライバーもバックミラーを見ていない。自分の前にはクルマがいないのに後ろは数珠つなぎになっているなら、自分が交通の流れを悪くしている張本人なのにバックミラーを見ないから気がつかない。

「自分は高速道路の法定速度の100km/hで走っているから、それを抜くのは違反だ」という主張もある。でもそういう人は、追い越し車線を延々と走ることは「通行帯違反」になることを知らない。さらに、制限速度内で走っていても、後続車に追いつかれたとき道を譲らないのも「追い付かれた車両の義務違反」になる。

道路はみんなで使うもので、交通の流れを円滑にするために道路交通法はあるのだ。

左側から「追い抜き」するときには要注意

もしバックミラーを見ないで走るドライバーがいても相手にしてはいけない。後ろから必要以上に近づいたり、ホーンを鳴らしたりするのは「あおり運転」になる。

それでは、右側を延々と走るクルマにはどう対応すればいいか。車線変更をして前走車の前に出る「追い越し」は右側からしなければいけないが、車線変更をせずに前走車の先に行く「追い抜き」は日本では違反にならない。前走車が右側車線をノロノロと走っているのであれば、左側車線から追い抜いてもいいわけだ。

もちろん、この時に制限速度を超えてはいけない。また、前走車に追いついてから左側に車線変更をし「追い抜き」のあと再び右側に車線変更して前走車の前にでると、左側車線からの「追い越し」とみられ違反になる。注意してほしい。