〈孫殺害 懲役4年6カ月〉溺愛していた孫娘を追いかけ「メッタ刺し」にした祖父の“激情”と“三角関係”《駆けつけた父は…》(「週刊文春」編集部/週刊文春 2020年9月24日号)
2020年9月、福井市に住む冨澤進被告(88)が高校2年生の孫娘・友美さん(当時16)を自宅で殺害した事件。福井地裁は5月31日、冨澤被告に懲役4年6カ月の判決を言い渡した。
溺愛していたはずの友美さんをメッタ刺しにしたという冨澤被告。かくもおぞましい激情に駆り立てたのは何だったのか。事件を詳報した「週刊文春」の記事を再公開する。(初出:週刊文春 2020年9月24日号 年齢・肩書き等は公開時のまま)
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「大変なことを起こしてしまった……。ケンカしていたら、動かなくなった」
9月9日深夜。冨澤進容疑者は、息子に電話をかけ、呆然とした口調でそう告げた。傍らには、Tシャツを血まみれにして横たわる高校2年生・友美さん(16)の姿。進が溺愛して止まなかった孫娘だった。
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「カッとなってやった」は辻褄が合わない?
現場は福井県福井市の北西部、九頭竜川左岸の田園地帯にある2階建ての一軒家。友美さんは今年7月から親元を離れ、この家で祖父と二人暮らしをしていた。
冒頭の電話後、友美さんの父親が駆けつけて110番通報したのは、日付が変わった10日の午前零時過ぎのこと。捜査関係者が語る。
「被害者は包丁で上半身をメッタ刺しにされ、台所付近で倒れていた。1階寝室を中心に数カ所に血痕。防御創がないため、寝室にいて無防備な状態をまず襲われたとみられる。死因は出血性ショックだった」
血を流して逃げ惑う孫娘に、追いすがる祖父がなおも包丁を突き立てる凄惨な光景が浮かび上がってくる。