「家族以外は頼れない」という考えに囚われるのは危うい

一緒に暮らす家族を大事に思うことはもちろん素晴らしいことですが、「家族だけしか信じられない」「家族以外は頼れない」という考えに囚われすぎてはいけないと思います。家事も育児も「家族なんだからやって当然」と固執すると、夫婦が互いに相手の義務不履行をなじりあうという状況を生みます。

親の介護についても「家族が親の面倒を見て当然」という意識は、離職してまで介護を優先するという方向に向かわせ、結果本人の経済的破綻による悲劇的な親子共倒れを招きます。

かつて安心な囲いだった家族が、今や家族のみんなを縛り付ける鎖になっている。「家族を頼る」ことと「頼れるのは家族しかいない」というのはまったく違います。

血がつながっていなくても、同じ屋根の下に住んでいなくても、いつも一緒にいなくてもいい。必要に応じて、場面に応じてつながり、自分のできる範囲で、助け合える。そんな「接続する家族」の視点が、今後は必要ではないでしょうか。

これからの新しい家族のカタチ、みなさんはどうお考えになりますか?

【関連記事】
「結婚どころか友達もできない」年収300万円未満の男性を孤独に追い込む"決定的要因"
狭小ワンルームに高齢者が大量居住する時代に…これから急増する「相続難民」のさみしい老後
「長男の嫁だから介護して当たり前でしょ」そんな義理の親の言葉を封じる法律がある
年金給付額の下落が止まらない…40代が悲惨な老後を避けるための「3つの大原則」
独身の86歳男性は「死ぬまでひとり飯」なのか…SNS以上、しがらみ未満でつながれる「こども食堂」の魅力