1週間ほど休暇を取って家族が一堂に集まり、徹底的に休む

20年以上結婚していた元夫の家族と休暇を楽しむ機会が何度もあったが、時間の使い方が私の日本の家族とは明らかに異なる。1週間ほど休暇を取って一堂に集まり、仕事は一切しない。

映画を観たり、美術館に行ったり、ハイキングをしたりといったアクティビティも行うのだけれど、メインは互いに話すことだ。次はこれをして、それからあれをしてとあくせくすることなく、時間がゆっくりと流れていく。

放っておけば一度に2時間でも3時間でも続けてにこにこ笑いながら家族で話し続ける。男性、女性は関係ない。お料理さえしない。レストランで食べたり、テイクアウトしたり、とにかく徹底的に休むのだ。

私の日本の家族とは、このようなゆったりした時間を過ごしたことがほとんどない。出かけたとしても、次はどこに行って、今度はこうしてと時間に追われていた。

わずかにあった会話は、「明日は何時に帰る?」「お弁当箱は片付けた?」「テストは?」と言った業務連絡が多かったように思う。両親は1年中土日返上で働いていた。

週末みんなで一緒に黙ってテレビを観るというのが唯一の休暇だった。ただひたすら家族と2時間、3時間笑いながら話した記憶がない。

賢い親たちは子どもをジャッジしない

対してアメリカでは、学校や会社であったことを親子がお互いに話す。自分が夢中になっていること、興味があること、政治のこと、歴史のこと、世界情勢のこと、スポーツ、食べ物、とにかくなんでも徹底的に話す。

キッチンでランチを作りながら楽しんで幸せな家族
写真=iStock.com/skynesher
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賢い親たちは子どもをジャッジしない。ジャッジせずに信頼して一人の対等な人間として尊敬して話を聞いてあげることが、子どもの能力を最大限に引き出すために何より大事だと知っているのだ。

元夫と私の両方がほぼ同時期にレイオフされて二人で会社を立ち上げた時も、元夫の両親は一切心配な素振りは見せなかった。実際、本当に全く心配していなかったのだと思う。

この二人ならなんとかなると思ってくれていることが伝わってきていた。ネガティブに捉えれば隠そうと思うような状況でも、ポジティブに捉えて親戚中に自慢げに二人で会社を立ち上げたと言いふらしていた。

このジャッジ抜きの家族内マラソン会話を毎日続けることで、「調子が良い時も悪い時も、ありのままの自分は受け入れてもらえる、愛してもらえる、自分は自分のままで大丈夫」という徹底した自己肯定感が育っていく。