今の日本企業を見ていると、生き残るために必死になり、自分たちが提供している価値と可能性についての議論が見当たらない。

SDGsのおかげで、統合報告書に社会課題の解決などの文言が踊るようにはなったが、実際にそうした言葉を、自社の存在意義として力を結集して実現しようと、組織全体で力が働くレベルになっているだろうか?

自分たちが力を出せるロードマップを作る

昨今のDXもいつのまにか「DXする」という動詞となってしまい、むやみやたらと便利なツールとしてのデジタル側面が強調されている。しかし、X(トランスフォーメーション)のないDXは企業の長期的成長力を阻害し、むしろ破壊してしまう。

各社各様、登山に例えれば目標は頂上と決まっていても、そのルートやペースはさまざまだ。だが、登山においても天候(環境)は変わる。企業経営においては、事業環境変化と競合、市場という組み合わせで、登るルートを刻々と変える必要もあるかもしれない。

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写真=iStock.com/BeachcottagePhotography
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だからこそ、まずは登る山を決めて、早く登り始めてほしい。対外発表のための報告書ではなく、自然と力を出し切りたくなるようなロードマップを作り、最初の一歩を踏み出してほしい。

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