内部監査は好条件で転職のチャンスが多い
これは日本国内の企業の事情ですが、職種でいえば内部監査の経験者には転職のチャンスが多そうです。
かつて内部監査は「新聞を読んでいるだけのオジサンが集まっている部署」「左遷先の部署」といったネガティブなイメージもあったかもしれません。また、その業務について「ただハンコを押せばいい仕事」と考えられていた時代もありました。
しかし、ガバナンス強化の流れの中では、その重要性が高まっており、もはや傍流とはいえない業務になっています。
実際、上場企業などでも内部監査を担う組織を強化し、人員を増やしているケースはめずらしくありません。
ニーズが増えている割に経験者が少ないため、内部監査の経験がある人は好条件で転職できる可能性が高いです。実は、私も日本の会社から内部監査の経験者を採用したいという相談を受けたことがあります。
保守的な考えの方が多くなかなか転職に踏み切る人が少ない印象でしたが、今がチャンスだということは、もっと知られてよいように思います。
監査の業務については、上場に向けた監査などの経験を積むと、より転職市場での価値が高まるでしょう。上場を目指すベンチャーが増える中、ニーズが増えていくことは間違いなさそうです。
できれば1社だけでなく複数の会社で経験を積むと、より汎用性の高い知見を蓄積できます。
コロナ禍を機に仕事のやり方が変わった業界が有望
もう一つ、私が注目しているのは、コロナ禍を経て仕事のやり方が根本から変わることを迫られている業界です。
たとえばヘルスケア業界は、デジタル化がこれから急速に進むでしょう。
ウェアラブルのデジタル機器を活用し、オンラインサービスを通じた健康管理やダイエットのサポートなどが充実していくことが予想され、これまで対面でヘルスケアサービスを提供していた人たちの働き方も大きく変わっていくことになると考えられます。
アパレルなどのショップ販売員の仕事も、従来は対面でなければできないものと考えられていたと思いますが、コロナ禍で対面販売が難しい状況の中で、オンラインによる販売がメジャーになりつつあります。
「ジャパネットたかた」のようにテレビで商品の魅力をアピールして通信販売するというビジネスは、以前は限られた企業しか手掛けていませんでしたが、中国やアメリカではインターネットのプラットフォームを使い「ジャパネットたかた」のような方式で販売員がものを売るビジネスがどんどん登場しているのです。
このような売り方がより存在感を高めることになれば、ショップの店頭に立っていた販売員の人たちの働き方も変化していくでしょう。
これからは、オンラインでいかに商品の魅力を伝えられるかが問われるようになるのです。