赤字体質のクーパンを今後どうするのか

ただし、世界経済の成長率低下と物価高騰の懸念が同時に高まる中でそうした取り組みを加速することは、口で言うほど容易なことではない。アーム上場によって投資会社としての存在意義を利害関係者に示すために、ソフトバンクグループは他の企業への投資戦略を迅速に見直さなければならない。例えば、5月11日の時点でソフトバンクグループは韓国のECスタートアップであるクーパンへの出資から利得を確保している。

競争激化などによってクーパンは営業赤字続きだ。経済合理性の観点から考えると、先行きの株価下落懸念が高まる状況下で収益力が弱い銘柄の保有を減らすことは、キャッシュを積み増し、想定外の展開への対応力を高めることに資す。それは、株価が下落した局面で新しい需要を生み出す実力のある企業や、新しいビジネスモデルの構築に取り組む企業への投資余力の引き上げにもなるだろう。そうした取り組みを実行して投資による成長を実現できるか否か、ソフトバンクグループは正念場を迎えている。

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