動物性タンパク質は何でとる?

まず、最も重要な動物性タンパク質は、基本的には「肉」「卵」「ホエイプロテイン」の3つを組み合わせながら補給することを推奨しています。

肉は牛、豚、鶏、羊など、好みのもので大丈夫です。ただし、豚肉は脂質が多めなので、とる部位で調節しましょう。脂質重視ならバラ肉、タンパク質重視ならひれ肉を選ぶとよいでしょう。

卵は「完全栄養食」ともいわれ、非常に良質のタンパク質です。ホエイプロテインは、乳清(ホエイ)から作られるプロテインです。

人間は哺乳類ですので、同じ哺乳類の牛、豚が最も効率のよいタンパク源です。次いで鶏肉、その次が魚肉です。

魚はタンパク質の品質としては、肉、卵に次ぐものがありますが、吸収効率は哺乳類・鳥類よりは1段下がります。また、魚は1食でとれるタンパク質の量が肉と比べると少ないので、メインのタンパク源とするとタンパク質不足を起こしがちです。

ただし魚は、良質な脂質であるDHA・EPAを摂取できるメリットがあるので可能な範囲で積極的にとりましょう。焼き魚や干物の場合はDHAやEPAが激減しているため、私はときどき刺身をとるようにしています。

また、タンパク源というと「大豆を食べています」という方が多いのですが、植物性のタンパク質は非効率的なのでおすすめしません。

タンパク強化に必須のホエイプロテイン

次にホエイプロテインです。「ホエイって何?」と思った人がいるかもしれません。ヨーグルトの上に透明な液体がたまっているのを見たことがあると思います。あれがホエイです。

ホエイプロテインは、日本で主流のものとして「WPC(濃縮乳清タンパク質)」と「WPI(単離[分離]乳清タンパク質)」があります。それぞれの特徴は次の通りです。

■ WPC(濃縮乳清タンパク質)の特徴
・価格が比較的安い
・乳糖が入っている
・タンパク質含有量が少なめ(70~80%)
■ WPI(単離[分離]乳清タンパク質)の特徴
・価格が比較的高め
・乳糖なし
・タンパク質含有量が高い(90%以上)

なるべく高濃度のものをとりたいとか、WPCだとおなかの調子が悪くなるなど乳糖不耐症の症状が出る場合には、WPIがよいでしょう。日本人は乳糖不耐症の方が多いので、WPIは有効です。なお、ドラッグストアなど店頭で売られているホエイプロテインのほとんどは、安価なWPCのほうです。