「で、あなたは?」と聞き返すのが効果的
こうしたときに試してほしいのが「and, you?」の切り返しです。「and, you?」とは訳すと「で、あなたは?」という意味。考えるふりやあいまいな相づちのあとで、同じ質問を相手にそのまま投げ返すのです。
「え、どうだったかなぁ。で、お宅は?」
「ご主人、どちらの大学を出られたの?」
「ええ、まあその辺の……。で、お宅のご主人はどちらでしたっけ?」
「あなたのご実家は何をやっているの?」
「うちはまあ、たいしたことありませんが……。で、お宅のご実家は?」
もし相手が「ウチは○○大学」「実家は農家」などと答えてきたら、答えてもいいような質問には答えてあげればいい。でも、年収やローンなど絶対に答えたくないときは、「どうだったかな。でも大変ですよ」と、具体的なことを明かさないで切り抜けましょう。
万が一、「ウチは年収2000万円で――」などと自慢げに言われたら、「そうなの! セレブねぇ」とあからさまに驚き、「ウチなんかとてもとても」と下手に出ながら退散すれば、それ以上は突っ込んでこないでしょう。相手は自慢したいだけなんですから。
基本的には、こちらが答えたくない質問は、相手だって同じように答えたくないはず。返す刀で同じ質問を投げ返して相手の出ばなをくじいてしまえば、苦笑いで解散、となる可能性が高いと思いますよ。
「無礼講」はどんな無礼でも許されるわけではない
「今夜は無礼講だ!」――要するに、「役職とか立場の違いを抜きにして楽しもう」という意味で、会社内の宴会や飲み会、上司と部下との“飲みニケーション”のときに使われます。ひょっとしたら最近はあまり聞く機会のない言葉かもしれません。若い方には「意味を知らない」という人もいるでしょう。
ただビジネスパーソンならば、上司や目上の人とお酒の席を共にする機会は少なくないでしょう。そんなとき、「今日は上司部下関係なく、楽しく飲もう」「堅苦しいことなしで飲もう」と言われることはよくあると思います。
それがまさに無礼講なのですが、問題なのは「今日は無礼講だ」と言われたとき、どの程度まで“無礼”でいいのか、です。無礼講と言われて、ベロベロに酔っぱらった新人が上司にタメ口をきき、しまいには頭をひっぱたいて大事になった――コントのようなシチュエーションですが、実際に似たような騒動はあちこちで起きています。
勘違いしてはいけません。本来の無礼講とは、「役職や上下関係を気にしてなかなか会話をする機会がなかった者同士が、楽しくお酒を飲んで、お互いにコミュニケーションを取り合いましょう」というもの。どんな無礼でも許されるわけではありません。決して「礼儀・礼節などなくていい」という意味ではないのです。
学生気分が抜けなくて、つい「そうなんっすよ」といった若者言葉が口をついてしまい、あわてて「す、すみません」となったときに、上司が「いい、いい、今日は無礼講なんだから」といったことはあるでしょう。でも、最初から「今日は若者言葉で話してもいい」ということではないのですね。