睡眠時間をたっぷりとっているのに、日中に眠くなる。そういう人は睡眠障害かもしれない。産業医の穂積桜さんは「睡眠研究で有名な、アメリカのスタンフォード大学が3つのチェック項目を示しているので、確認してほしい」という――。

※本稿は、穂積桜『朝型 夜型 中間型は遺伝で決まっている! クロノタイプ別 睡眠レッスン』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。

英国ショートヘア種の猫
写真=iStock.com/Gutzemberg
※写真はイメージです

人が最も長生きできる睡眠時間は7時間という調査結果

本レッスンでは、心身に不調をきたさないため、また、みなさんがよりご機嫌な毎日を過ごすために、そのベースとなる「良質な睡眠を得るためのメソッド」を紹介していきます。

そもそも、「良質な睡眠」とは、いったいどんな睡眠を指すのでしょう?

穂積桜『朝型 夜型 中間型は遺伝で決まっている! クロノタイプ別 睡眠レッスン』(KADOKAWA)
穂積桜『朝型 夜型 中間型は遺伝で決まっている! クロノタイプ別 睡眠レッスン』(KADOKAWA)

睡眠時間は削ることができない絶対的な「固定費」だとわたしは考えています。そこで、良質な睡眠を得るためには、第一に眠っている時間自体が重要となります。

パフォーマンスを上げることや、体調をベストコンディションに持っていくために必要な最低睡眠時間は、個人差こそあるものの、わたしの考えでは理想は6時間です。

稀に、3時間睡眠で有名なナポレオンのように、ごく短い睡眠でも問題なく活動できる「ショートスリーパー(短眠者)」は存在します。仮に毎日5時間睡眠を続けていてまったく日中に眠気が出ず、元気で生き生きと過ごせる人なら5時間睡眠でも問題はないでしょう。

そのショートスリーパーには、遺伝が大きくかかわっています。2009年、カリフォルニア大学などの研究チームがショートスリーパーを生む遺伝子・DEC2を発見し報告しました。

それにより、両親など血のつながった家族にショートスリーパーが多いかどうかを見ると、生まれつき睡眠時間が短くても大丈夫なタイプかを簡易的に確認できます。

アメリカで行われた大規模な調査では、人がもっとも長生きできる睡眠時間は7時間という結果が出ています。また、睡眠時間が6時間未満の人は、7時間の人と比べて居眠り運転の頻度が高いという研究もあります。

ショートスリーパーだという絶対的な確信がないなかで、たとえいまはそれほど困っていない人でも、普段の睡眠時間が6時間以内なら、きっと日中の集中力や眠気に影響が出ているはず。できるなら、最低6時間の睡眠を心掛けてほしいところです。