3月ごろから多くの日本人を悩ます花粉の飛散
3月はまさに花粉シーズン。症状の出方や程度は人それぞれだが、早く春が終わってほしいと願っている人は多いだろう。民間気象会社の株式会社ウェザーニューズの最新予報(2月27日)によると、関東では3月下旬にかけてスギ花粉の飛散ピークになるという。
スギ花粉がピークを越えても苦難は続く。入れ替われるようにヒノキ花粉の飛散が増えて、3月下旬から4月下旬にかけて西日本や東日本を中心にヒノキ花粉の飛散ピークを迎える。
今年の花粉の飛散量はどうか。予報(2月21日)によると、前年と比べて北日本、東日本はやや多めで、西日本は少なめ。だが、平年比(過去10年)では、西日本も例年並みとのことだ。今年もしっかりとした対策が必要だ。
花粉量や時期に影響するのは気温や風
「実は毎年の飛散量については、前年の夏の段階である程度わかってます」
ウェザーニューズ予報センターの森田清輝氏はこう解説する。
「スギの雄花は夏に形成されます。晴れて暑い日が多くなるほど形成されやすく、翌春の花粉の量が増えます。また、コメの豊作凶作のようにスギにも当たり年と外れ年があり、花粉の量が多かった年の翌年は逆に少なくなる。それらのデータから、だいたいの飛散量がわかります」
発生源での花粉量がわかっても、花粉の飛散開始時期や拡散エリアまではわからない。詳細な予報には気象データとシミュレーション技術が必要だが、ここはウェザーニューズの得意分野だ。スギは冬の間、休眠する。目覚めた後に暖かい日が多くなると飛散開始が早まる。その後のシミュレーションに影響するのは風だ。
「火山が噴火すると、火山灰に含まれるガラスが飛行機のエンジンに付着して事故を引き起こすおそれがあります。私たちは細かい粒が風に乗ってどこまで拡散するのかというシミュレーションを長年研究してきました。その技術を花粉に応用しています」