驚くのは以前の住まいとの比較だ。以前は居住人数が4人だったという違いはあるが(延べ床面積はほぼ同じ)、光熱費に年間22万円の差がある。補助金がある今なら、10年以内にモトを取れる計算だ(図2参照)。
「建てたのはたった2年半前ですが、今とは状況が随分違いました」と永島さんは振り返る。
「建ててからお金のかからない家にしたいと、鉄骨メーカー6社を検討しました。太陽光発電住宅にしたいと言うと、当時政府の補助金も途切れていたし、他社さんは『初期費用を回収できない』と積極的ではなかった」
今の家なら壁に設置された「光熱費ナビ」で今日どれくらい発電してどれくらい使ったのかが一目でわかるから、「ムリなくエコができる」という。
「たとえば炊飯器の『保温』機能は使わず、ご飯は炊いたらおひつに移します。電話機の子機も使わない。省エネする意識が生まれました」(永島さん)
現段階ではオール電化住宅+太陽光発電というエネルギー源を電気に一本化するメリットが大きいが、今後はガス発電や家庭での蓄電が普及するかもしれない。いずれにせよ、住宅の建て方、そして家庭でのエネルギー源の選び方で大きく光熱費が違ってくる。賢く選択、使用した人ほど、光熱費を節約できる時代がきたと言えそうだ。
※すべて雑誌掲載当時