義母と義姉

義父の死後、80歳の義母は「食欲がない」と言い、悲劇のヒロインのようにしおらしくなっていたが、約半年ほどで元通りになった。

ところが4年後の2016年11月、突然、義母の腕にできた傷が悪化して、入院・手術が必要な状態に。2人部屋の先客は認知症患者。寝たきり状態だが、ひっきりなしに「看護婦さん、オムツ替えて〜!」と叫び続る女性だった。

「(同じ部屋の患者に影響され、認知機能が低下した)義父のようになったら看るのは自分だ」と思った佐倉さんは、病院に部屋替えを申し出た。すると案の定、義母は「嫁の分際でお医者さまにモノ申すなんて!」と怒ったが、「義父のように認知症になったら、誰が世話するの?」と言うと黙った。

義母の傷は、鳥や猫の感染症である、クリプトコックス症によるものだと診断された。庭にやって来る野良猫がフンをしていくのだが、義母はそのそばで義父のお墓に持参する花を摘んだり、束にまとめたりしていたので、そのせいだと思われた。

佐倉さんは義母が入院中、退院して戻ってきたときにせめて気持ちよく過ごせるようにと、離れを掃除することに。ところが、目に入ってきたものは……埃まみれの部屋、カビだらけの洗面所、ゴキブリの巣窟と化した台所、液状化した野菜の海となった冷蔵庫。

何のシミかわからない汚れた冷蔵庫内
写真=iStock.com/PlasticMan
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あまりの不潔さに絶句した佐倉さんは、ゴキブリの根城となっていた食器棚の中身は処分して消毒、寝具は新しいものを買い、ベッドの下に入っていたガラクタを整理した。

当時62歳の義姉は、以前は年2回ほど実家に顔を出していたが、義父がおかしくなっても1〜2度しか会いに来ず、葬儀に来てもお客様気取り。義父の介護や、最後の救急車手配、応急措置などに対して、佐倉さんに感謝の言葉もなかった。

義母がクリプトコックス症で入院しても一度も面会には来ず。義母が入院中に義姉の長女が結婚したが、招待状が届いたのは佐倉さんの夫と長女宛てのみで、佐倉さんには届かなかった。さすがに義母には届いたが、入院で行けなくなったにもかかわらず、義姉は義母に結婚式の写真さえ送ってこなかった。