安倍政権が歴代最長となった理由

安倍内閣の8年間を見ると、平成24(2012)年から平成25(2013)年までは景気回復も順調でしたが、平成26(2014)年4月1日に消費税を8%に増税してしまいます。日銀による追加金融緩和(ハロウィン緩和)で緩やかな景気回復傾向に立て直したので、国民は「じゃあ、安倍内閣が続いてもいいや」との雰囲気となり、安倍内閣は存続しました。

日本の消費税の増税イメージ
写真=iStock.com/takasuu
※写真はイメージです

安倍晋三は総理大臣として連続在職日数が3188日となりました。憲政史上最長記録ですが、「何か実績はあるのか?」と言われると何もありません。

歴代の総理大臣の実績に関しては、歴史の教科書にもいくつか書かれています。

倉山満『なぜ日本の野党はダメなのか?』(光文社新書)
倉山満『なぜ日本の野党はダメなのか?』(光文社新書)

ここに並べられる安倍内閣の実績は何かあるのでしょうか? 国家安全保障局とか特定秘密保護法とか、いろいろと細かいことをやっていますが、そんなことを教科書に書くわけにはいかないでしょう。ましてや「民主党政権の時よりは株価が高く、アメリカとの関係も安定した」とも書けますまい。現に、安倍晋三首相が佐藤栄作首相の任期(2798日)を超えた瞬間に「実績はあるけどレガシーはない」と新聞やテレビで言われ出しましたが、みんなが薄々思っていたということです。

野党やその他が酷すぎたから、安倍首相の方がマシだと考えられて長期政権になっただけです。そういった弱すぎる野党が安倍内閣を支えていて、安倍内閣は中途半端な金融緩和でも政権維持ができたのです。ハッキリ言えば日銀が金融緩和をしているかどうかがすべてでした。

野党からの「左からの批判」は痛くもかゆくもなかった

では、日銀の金融緩和に対して、野党に転落した民主党はどのような批判をしたかと言うと、「金融緩和なんかやめてしまえ」でした。「もっと金融緩和をやれ」と言えば正論でしたが、野党の民主党は絶対に言いませんでした。民主党の後に野党第一党となる民進党も立憲民主党も同じでした。

「金融緩和をやめろ」という左の安倍批判があっても、右からの「金融緩和をもっとやれ」という安倍批判がありませんでした。右からの安倍批判があったとしても、次世代の党のように潰されましたが……。

安倍内閣にとって左からの批判しかしない民主党が野党に転落後、党名が変わって民進党になっても野党第一党であり続けたのは嬉しくて仕方がありませんでした。

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