モチベーションの高さを表すのは「張り」
肉付きの豊かさに加えて、そこに、指で押したときにプリッと跳ね返ってくるような張りや弾力がある人は「モチベーション(やる気)」や「逆境への耐性」が高い人です。
肉付きの張りが示しているのは、物事に対する「抵抗力」。トラブルやストレスなどの逆境もポンと跳ね返すことができるため、常にモチベーションを高く保つことができます。
反対に、押したときに指がグニュッと沈むような、張りのない肉付きの持ち主は、逆境に逆らえず、押されるがままになりがちです。
もっとも、張りがありすぎても、触るものすべてを跳ね返すかのように、人の意見を受け付けにくくなるため、注意が必要です。
とりわけ、「目尻が上がっている」人は、もともと自分の見たいものしか見なかったり、聞きたいことしか聞かなかったりする傾向があるため、ここに肉付きの張りが加わると、意志の強さを通り越して「強情」なほどに人の意見を聞かなくなってしまいます。
なお、年齢を重ねれば、肉付きの張りは失われるものと考えがちですが、必ずしもそうとは限りません。
もちろん、10代と80代の張りを比べれば、それなりの差が出るのは否めませんが、高齢なりに肉付きがプリッとしている人はいるものです。
81歳でスマートフォンのゲームアプリ『hinadan』を開発した「おばあちゃんプログラマー」こと若宮正子さんがまさにそうで、ふっくらと張りのあるほっぺたが印象的な女性です。
80歳を超えてから独学でプログラミングを始めたという、高いモチベーションのありかが、そこに表れています。
論理的思考力を表す「額の三分割」
デスクワークから現場作業まで、あらゆる仕事に共通して求められるのが「論理的思考力」。他人に何かを説明したり提案したりする局面で、1から5へと急に話が飛んでしまっては、相手を納得させることはできません。
物事を論理的に考えられる人は、筋道立てて説明することができるので、プレゼンテーション力にすぐれているといえます。
相手が論理的な思考の持ち主かどうかを見るには、前髪を上げた状態で、額を真横から観察します。眉の真上から額のてっぺんまでが、凸→凹→凸という具合に盛り上がったり、引っ込んだりしているかどうかがポイント。
これを本書では「額の三分割」と呼びます。
一番上の凸は「想像」を表す部分。ここが盛り上がっている人は、0から1を生み出すことに長けた、すぐれた発想力の持ち主です。
真ん中の凹は「熟考」を表す部分。ここが引っ込んでいる人は、自分の思いつきを、一歩引いて客観的に検証することができます。
一番下の凸は「洞察」を表す部分。ここが盛り上がっている人は、物事の本質を見極める力を持っています。
論理的思考とは、以上の3つのステップを上から順にたどっていくようなプロセスと言えます。相貌心理学では、この「三分割」がはっきり確認できる人ほど、論理的思考力が高いと考えます。
とはいえ、目に見えて額に凹凸がある人は、そう多くはありません。最初のうちは見分けにくいと感じるかもしれませんが、ひとまずは「額がつるっと滑らかではない」くらいに捉えていただいて結構です。
額の三分割は、女性よりも男性にはっきりと見られることが多いようです。一般的に、男性のほうがロジカルだといわれるゆえんでしょう。
人の顔を見るときに、「横顔」をチェックするというのは、多くの人にとっては盲点かもしれません。
表情のつくり方やメイクアップなどで、多少は雰囲気を変えることができる正面の顔とは違って、横顔の印象操作を行なうことは難しいものです。それだけに、横顔にはその人の「本質」が表れているといえます。
だからこそ、相貌心理学では横顔の分析にも重きを置いているのです。