向上心の高さは「口角」で見る

先行きの予測が困難な「VUCAの時代」と呼ばれる今、変化を恐れずに、新たな学びを楽しむことのできる「向上心」は、あらゆるビジネスパーソンにとって必須の資質といえるでしょう。

向上心の高さを示す特徴はいくつかありますが、とりわけ注目したいのが「口角」。口角が上がっているのはポジティブ思考、下がっているのはネガティブ思考を示します。

イメージ通りで意外性がない、と思われたかもしれませんが、あえて注目を促したのは、口角は自分で意識して上げることができるからです。

職種を問わず、誰だって、口角が下がってぶすっとして見える人よりも、口角が上がって前向きに見える人と仕事をしたいと思うもの。

そうした周りの反応が本人にフィードバックされると、ポジティブな人はますますポジティブに、ネガティブな人はますますネガティブになっていきます。

つまり、外面を変えれば、内面もそれにともなって変化、成長していくのです。こうした自己マネジメントのツールとして相貌心理学を活用するという考え方にも、ぜひ注目していただきたいと思います。

ここまでに紹介した4つのポイントは、会社員として働く以上、ほとんどの職種の人に求められるものでしょう。そこに、職種ごとに求められる資質を加味することで、それぞれの職種にぴったりな人の「顔」が見えてきます。

輪郭によって「自分の活かし方」は変わる

もうひとつ、相貌心理学上の重要なポイントとして、「輪郭」が挙げられます。

輪郭がどっしりした「ディラテ」の人は、体力が豊富で、外向欲求が強いタイプ。輪郭が面長の「レトラクテ」の人は、体力に限りがあり、内向欲求が強いタイプ。

そう聞くと、ディラテのほうがビジネスパーソンとしてアドバンテージがありそうに思えますが、そこはもちろん、両者にそれぞれ強みと弱みがあります。

たとえばディラテの人は、周囲とのコミュニケーションを大切にするところが長所にもなる反面、人によく見られたいという意識が強いため、周りの意見に流されやすいところがあります。

逆にレトラクテの人は、ぶれずに自分の意見を貫けるという長所がある反面、異なる意見を自分への攻撃と捉えてしまい、過剰に反応しがちなところに注意が必要です。

各職種においても、ディラテとレトラクテのどちらが向いていると一概にいえるわけではありません。それぞれ持ち味を発揮するためのアプローチが異なるということです。本書では、その違いについても詳しく触れていきたいと思います。

(イラストレーション=髙栁浩太郎)
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