検査キットは薬局で無料配布
年初から学校が再開したが、全ての幼稚園児・小中高生に加え、ワクチン接種完了済みの教員に対しても、週2回のセルフテストによる陰性証明の提示が義務付けられている。
子供たちにはとっては困難な措置だが、これもなんとか対面授業を続けていくためだ。抗原検査キットは社会保障番号の提示で、薬局で無料配布されているのは評価すべきことだと思う。
筆者は既に昨年12月初旬に3回目の強化接種を受けたが、2月7日より2回目のワクチン接種から7カ月(接種1回タイプのワクチンは3カ月)を過ぎるとワクチンパスが無効になることが決定し、若年層でも3回目の接種を受ける人が増えている。
多岐に及ぶ厳しい措置だが、ポストCOVID社会として、おのおのが感染防止に励み、外食や買い物をし、学校や職場に通って、経済を回していくことは必要不可欠だと国民は理解している。
「みんなクリーン」という安心感
ギリシャでは感染拡大で病床不足になればロックダウン、解除されればルールを守りつつ外出したい人はどんどん出掛けるというメリハリがある。
感染対策措置が厳しい分、規制が緩和されれば“自粛”という曖昧な概念はなく、旅行や外食をしても白い目で見られることはない。それによって飲食店やホテルなどのサービス業も潤って生き残れる。
その背景には、早めのワクチン接種とそれを証明するワクチンパスによって外食、旅行などができることがある。レストラン等で空間を共有している人々は、皆“クリーン”という安心感がある。
無料の抗原検査場が全国にある
また、ギリシャでは容易に検査キットが入手でき、全国の都市の広場などで無料の抗原検査も行われている。検査で医学的、合理的に行動を判断できるから、日本のように「なんとなく外出を控える」ということもなくなる。
経済協力開発機構(OECD)加盟国の1000人あたりの1週間平均の検査数(データ:OUR WORLD IN DATA)を見ると、ギリシャは常時20~30件以上で、イスラエル、デンマーク等と共に最も検査数が多い国のひとつ。ちなみに日本は検査数が極めて少なく1件前後、メキシコと同等の下位に位置する。