期待先行型の銘柄の下落リスクは高まる
米金融政策の転換が、メタの事業運営体制への不安を一気にあぶりだし始めた。事業運営面に不備や懸念があるにもかかわらず期待先行で株価が上昇した銘柄は多い。
例えば、個人投資家によるマネーゲームの対象となったゲームストップなどの“ミーム銘柄”がそうだ。その一つであるAMCエンターテインメント・ホールディングスの株価は、2020年末の2ドル台から2021年6月には60ドル台まで急騰した。2月9日の引け値は18ドル台と高い。特別買収目的会社(SPAC)に買収されて新規株式公開(IPO)を果たしたスタートアップ企業の中にも、同じことが当てはまるものがある。
事業内容を精査するよりも、“乗り遅れるな”という焦りの心理に影響されてリスクの高い(ハイ・ベータ)銘柄を選好した投資家は多い。2月3日の急落によってメタ株の割高感が解消されたとの見方はある。しかし、そう論じるのは早計だ。金利が上昇すれば、期待先行で株価が上昇した銘柄の下落リスクは一段と高まるだろう。