すり替え、封じ込め…質問の上手なかわし方

それでは、進学先の質問をかわすフレーズを見ていきましょう。

①話題の矛先をすり替える

相手に「どこに決まった?」と聞かれたら、まずは「まあ、入れるところに入ったって感じです」「おかげさまで縁があるところに入りました」と答えます。

その後に、「ようやく肩の荷が下りました。これからは私も好きなことやりますよ!」「しょせん、この程度の親なので」などと、話題の矛先を進学先から自分にすり替えてしまいます。こうすれば、それ以上詮索しにくくなります。

②謙遜をする

「○○さんのお子さんのように優秀じゃないから、お聞かせするほどのものじゃないわ」

といえば、それ以上踏み込んできません。こうして封じてから、

「それにしても○○さんのお子さん何年生になったの?進学先は決まった?」と

相手に話を振ってしばらく付き合えば満足するのではないでしょうか。

もちろんわが子は、学校に関係なく愛おしく他のお子さんと比較するつもりはないと思います。しかし相手にとっても自分の子どもが一番の関心事なのです。会話上手とは、相手に話を合わせること。防御したあとは、一歩譲って相手を立ててあげましょう。

リビングで話す2人の女性
写真=iStock.com/itakayuki
※写真はイメージです

③キッパリ断る

「ごめんね、子どものプライベートのことなので、親が言うのは控えているの」

「子どもが言ってほしくないって言っているので……」と、子どものことだから言いたくないと理由を伝えるのも一つの方法です。

ただこの場合、気をつけたいことがあります。それは発言と行動に一貫性を持たせること。一貫性がないと、「あの人には教えて、私には教えない」などしこりを残すことにもなりますし、当然、自分も他人の家族の進学先を詮索することは控えましょう。どうしようか迷ったときには、子どもに「あなたの進学先を教えてもいい?」と聞いてみるのもいいかもしれません。

そしてもし、嫉妬されないか心配な場合には、志望校に合格をしてもあまり浮かれすぎず、謙虚な態度を取っておきたいですね。

あるとき、引きこもりのお子さんがいる方から、「職場で受験の話題が出るたびに、何とも言えない気持ちになった」と聞いたことがあります。あまり気にしすぎてもぎくしゃくしますが、世間にはさまざまな事情や価値観をもった方がいることを頭の片隅に入れておくと、失態を未然に防ぐことができます。