姉さん女房:長崎・宮崎で多く、岐阜・愛知で少ないという謎

次に、姉さん女房が多い地域はどこかについて見てみよう。

図表4には、女性が年上の婚姻比率についての全国マップを掲げた。年次は最新の都道府県別データが得られる2015年である。

西日本で多く、中部日本で少ない姉さん女房

全国マップで明らかなように、姉さん女房比率は、九州・中四国(西部)と北海道・東北という日本の東西両極で高く、中部日本で低くなっている。

全国一多いのは長崎の27.4%であり、宮崎の26.5%、島根の26.4%がこれに次いでいる。逆に全国一少ないのは岐阜の21.9%であり、愛知の22.5%がこれに次いでいる。

境界地域では隣接県でも大きく姉さん女房比率が異なる。高知県では26.1%と多いのに、隣の徳島県では22.6%とかなり少なくなる。同様に、新潟県と長野県では25.1%と22.9%という落差が生じている。文化的な境界がここらにあるとも言えよう。

時代の先端を行く場合が多い大都市では、姉さん女房も多いのではと予想したが、実際は、東京や大阪など関東や関西の人口集中地域では中間的な比率となっており、さらに、中部圏の大都市である愛知は逆に全国2番目に姉さん女房が少なくなっている。大都市圏で姉さん女房が特に多いという傾向は認められないのである。

西日本で出生率が高いという傾向が最近顕著となってきていることも考え合わせると現実の変化に即応した西日本型の夫婦関係が子どもをもうけやすいかに影響している可能性もある。