カロリーを減らしつつ、バランスよく栄養を摂取

先にも述べたとおり、コロナ禍の生活様式が生活習慣病のリスクを高めています。そこで、生活習慣病予防の観点から、日常生活において実践していただきたいポイントをご紹介します。

・食事

過食は控え、エネルギーを摂り過ぎないように心がけてください。肝臓修復の材料となるたんぱく質は十分に摂る必要がありますが、肉類の摂り過ぎは脂質の摂取を増やしてしまいます。肉類は控え魚介類からの摂取を増やす、肉類を摂る場合は脂肪の少ない部位を選ぶのがよいでしょう。とはいえ、脂質も体には欠かせない栄養素です。脂質は不飽和脂肪酸を選べば中性脂肪を下げる効果も期待できます。使用する油をオリーブ油にするのもよいと思います。

敬遠されがちな糖質も体や脳のエネルギー源ですので、全く摂らないことも健康を損ねることになります。白米を控え玄米や雑穀米に置き換える、食物繊維の豊富な食材を多めに取り入れて空腹を満たすといった工夫をすれば、摂取カロリーを減らしつつ栄養素も同時に摂ることが可能です。以下におすすめの食品の例を挙げます。

<不飽和脂肪酸>
オリーブ油、青魚、ぶり、まぐろ、うなぎ、豚レバー、干しひじき、わかめ

<食物繊維・ビタミン・ミネラル>
野菜、海藻、きのこ、玄米、雑穀米、いも類、豆類、納豆、オートミール

<中性脂肪を減らす効果>
大豆、大豆製品、じゃがいも、トマト、りんご

<肝機能強化>
しじみ、牡蠣などの貝類、ごま

<脂肪燃焼効果>
唐辛子(辛味成分のカプサイシン)

どれもたくさん摂れば効果があるというわけではありません。バランスよく摂取すること、例えばテイクアウトなどを利用する場合には、単品メニューではなく定食にする、小鉢を1品追加する、カット野菜を用意するなど品目を増やす意識を持っていただきたいです。厚生労働省・農林水産省の示す食事バランスガイドも参考にしていただくとさらによいと思います。

玄米
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