離婚を切り出すのは妻からの場合が7割超

夫婦間の幸福度格差、特に妻の幸福度が低い場合にのみ離婚につながるという結果は、非常に興味深いものです。

妻の幸福度が離婚のカギとなる背景には、「離婚を切り出すのは主に妻」という現状が影響しています。カヒット・グヴェン講師らは論文の中で、オーストラリアやドイツでは主に女性の方から離婚を切り出すことが多いと指摘しています。

ちなみに日本でも女性の方から離婚を切り出すことが多い傾向にあります。最高裁判所の「司法統計年報」によれば、2019年の離婚の申し立ては妻からが約73%であり、この傾向は近年大きく変わっていません。

以上の点から、離婚の主導権は妻側にあると言えそうです。

妻の不幸が離婚につながる

これまでの結果から、夫と比較して妻が幸せではない結婚生活は、長続きしないと考えられます。

この結果はあくまでもイギリス・ドイツ・オーストラリアで得られたものであり、日本にも当てはまるかどうかという点が重要なポイントです。この点に関して、同じ先進国である日本でも離婚を切り出すのが主に女性であるという特徴を考慮すると、日本も近い状況にある可能性が高いと考えられます。

さて、もし日本でも同じような状況にある場合、「相対的に妻が幸せな家庭」ほど離婚しにくいことになります。