離婚に関する慰謝料は不倫相手には請求できない

夫の不倫が発覚したことで、離婚を考える人もいるでしょう。不倫が原因で離婚をすることになった場合、大切な夫との関係性を壊した不倫相手に対しても、慰謝料を請求したいと考えるかもしれません。

夫が既婚者であることを知っていた、あるいは知ることができたにもかかわらず、夫と肉体関係を持った不倫相手に精神的苦痛を受けたことに対する慰謝料を請求することはできます。

しかし、夫婦の関係性において、不倫相手は第三者です。「夫婦関係が破綻した」のはあくまで夫婦間の問題であると考えられるため、離婚によって受けた精神的ダメージの分の慰謝料を不倫相手に請求することはできません。

風俗通いも慰謝料を請求できる

Q.夫が風俗に通っています。それを知って以来、心が苦しくて眠れません。精神的にも大きなダメージを受けているため、夫に慰謝料を請求することはできますか? また、相手の風俗嬢にも請求できるのでしょうか。

森公任・森元みのり『妻六法』(扶桑社)
森公任・森元みのり『妻六法』(扶桑社)

A.できます。風俗通いも「貞操義務違反」になります。

風俗通いも、配偶者以外の人と肉体関係を持つ以上は、貞操義務違反とみなされます。

妻側が夫の風俗通いによって精神的な苦痛を受けたり、婚姻関係の継続に支障をきたすと感じたりした場合は、慰謝料請求を求めることができます。

しかし、相手の風俗嬢に対する慰謝料については、ケースバイケースですが、それが法的に許されたサービスを超える性行為なら、営業の一環とはいえず、賠償請求できます。たとえば、いかなる場合でも性交渉という営業は認められていませんから、当然、賠償の対象になります。

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