医師たちの怠慢のせいで「居酒屋崩壊」が起きた

患者の受け入れ体制を整えてきた東京慈恵会医科大学付属病院のようなところがある一方で、何もせずに軽々と「医療崩壊」という言葉を連呼する人たちには怒りを禁じ得ません。実際、医療崩壊など起こっていないのですから。

医療逼迫や医療崩壊と言いながら、懸命にがんばっていた病院はごく一部しかありませんでした。

国内の約160万床のうちのほんのわずかの病床でコロナに立ち向かい、それでも辛うじて医療が回っていたということは、逆にいうと日本には“いらない医師”が多すぎるということにもなるでしょう。

現実に起きたのは「医療崩壊」ではなく、営業自粛を要請された居酒屋の崩壊でした。医療崩壊を防ぐために時短営業や外出自粛が繰り返され、経営が成り立たなくなった居酒屋従事者たちの生活が逼迫するという悪いジョークのようなことが起きてしまったのです。

国民に“我慢”を強いるばかりで医師会は何もしない

2021年11月の時点で全国的に居酒屋の営業自粛要請は撤回されましたが、長期間の自粛が続いたことで人々の「夜に飲みに行く」生活スタイルは失われ、経営が回復するまでには相応の時間がかかるのではないかと思われます。居酒屋だけではありません。ほかにもさまざまな業種がコロナ自粛の後遺症に苦しんでいます。

2020年11月18日、日本医師会の中川俊男会長は「今週末を秋の我慢の3連休としてほしい。コロナを甘くみないでください」と、感染拡大地域との往来を自粛するよう国民に要請しました。“我慢の3連休”との言葉には、正直笑ってしまいました。「国民のみなさんが我慢をしてくださる間に、新型コロナに感染しても安心な医療体制を今から猛スピードで整えます」と言うならまだわかります。しかし実際は我慢、我慢という言葉ばかりで医師会が何をやっているのかわかりません。

何のための我慢なのか、何のための緊急事態宣言だったかという目的を皆が忘れ、我慢が主目的になっていることを象徴した言葉でしょう。彼らの本音は「自分たちの手を煩わせないよう、自分たち以外が我慢して感染拡大を防ぎなさい」ということなのかもしれません。