性犯罪やドラッグ取引がはびこる無法地帯

こうした精子提供を取引するSNSとしてInstagramやFacebookではなく、Twitterが選ばれる理由は複数ある。そもそも匿名性が高く、目的に応じて複数アカウントを作成、利用しやすいこと。テキストのみでもよく、ハッシュタグで同じ目的・興味関心の人がつながり、拡散しやすいことなどが挙げられるが、それだけではない。

SNSの多くが禁止事項を挙げ、問題ある投稿は削除されることが多い一方で、Twitterはまるで無法地帯だ。性犯罪やドラッグ売買などの個人間取引だけでなく、詐欺などの犯罪への使用や、誹謗ひぼう中傷も非常に目立つ。

ヘイト投稿、詐欺投稿、誹謗中傷、裸の写真などでも削除されることがなくそのままになっており、見かけてぎょっとしたことがある人は多いはずだ。「グローバルポリシーには反していない」という考えのもと、投稿はそのままにされてしまうのだ。

ハッシュタグの概念
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問題投稿は削除せず「見ない」ようにするだけ

事実、ヘイトスピーチを禁止する川崎市の条例に基づき、11月までに同市が削除依頼した投稿のうち、LINEなどの投稿は削除されたものの、Twitterの投稿は「応じられない」と削除されていない

木村花さんがTwitter上で誹謗中傷された事件で、加害者の情報開示を求めた時も同様だ。文春オンラインによると、米国には侮辱罪に相当する概念がないらしく、「そんな微罪で利用者の情報を明かせないと非協力的なスタンス」だったことが明らかとなっている

Twitterでは投稿を削除しない代わりに、リプライを非表示にしたり、RT急増後にリプライできる人の設定を変更するか注意喚起するテストを行うなど、誹謗中傷などを「見ない」方向に機能を追加しているのだ。