住宅ローン以上の金利を稼ぐ

住宅ローンの金利は、せいぜい1%程度。余裕資金が生まれたら、返済にまわすのではなく、投資にまわすほうがかしこいかもしれません。

たとえば、投資信託を勉強して、金利1%以上稼げるようにする。

仮に7%の運用でまわすことができれば、差し引き6%の収益になります。新しい資産を運んでくれる原資になるわけですから、わざわざ金利1%にすぎない住宅ローンを返すのはもったいないといえます。

将来、アパート経営をしたいと考えている人は、繰り上げ返済などせずに、できるだけ手元に現金を残しておいたほうがいいのです。

アパートローンを借りるときは、自己資金がいくらあるかが審査のうえで圧倒的に重要になるからです。これはほかの事業を始める場合も同じです。

余裕資金を住宅ローン返済に使ってしまうと、借金が減った代わりに、現金がない人になってしまいます。アパート経営は何が起こるかわかりません。万一のとき、手元にお金がないと対応できないのです。

貸したお金を返してほしい銀行は、何かあったとき、借り手がすぐに対応できるかどうかを見ています。

たとえば、貸し室10室のうち4室が空いてしまったら、アパートローンの返済が難しくなります。そのとき預金があれば、そこから返せると見てもらえます。

大前提となるのはライフプラン

リフォームが必要になったときも同じです。手元に現金がなければ、きちんとリフォームができません。リフォームできなければ、借りてくれる人もいなくなります。悪循環に陥ってしまい、結局アパートを手放したうえに借金だけが残る、ということになりかねません。

菅井敏之『一生お金に困らない! 新・お金が貯まるのは、どっち⁉』(アスコム)
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リフォームは、設備の耐用年数などに基づいてある程度計画的に進めることができますが、突風で窓ガラスが軒並み割れてしまうような事態は、予測がつきません。

アパート経営をする人は、そういう自然災害の可能性も考えに入れたほうがよさそうです。どんな投資であれ、元本を割り込むリスクはかならずあります。それが嫌な人は、繰り上げ返済をすればいいと思います。

これは、その人の性格や適応力にもよるでしょう。

投資の知識や経験が備わっている人はチャレンジすればよいですし、投資に興味が持てず堅実にいきたい人は繰り上げ返済でいいのです。

いずれにしても大前提となるのは、あくまでライフプラン。自分のライフプランをつくって、お金を長期的に俯瞰ふかんしなければいけません。

<答え>
大前提はライフプラン。それを立て、いつ、いくら必要か見きわめたうえで、余裕があれば繰り上げ返済をしてもいい。ただし、低金利・団信加入など住宅ローンのメリットは大きく、むやみに繰り上げ返済する必要はない。住宅ローン金利以上で投資運用できる人、アパート経営など事業をする人も、繰り上げ返済の必要はない。
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