子どもの学ぶ力はとても強い
学校をどうするかも、子どもの意思に沿って考えてあげてほしいと思います。
ここで保護者の方に気づいてほしいのは、自分の本当の気持ちです。子どもの意思を尊重しようとする一方で、なんだかんだ言っても、学力の高い学校に通ってほしいと思ってはいないでしょうか。
また不登校になった時点で急に、「受験だけが人生じゃないよ」と言ったとしても、これまでずっと勉強しろと言ってきたのはどういうことなの? と子どもは思います。いきなり意見を変えても、それで子どもの気持ちはすぐに整理がつきません。
子どもの学ぶ力はとても強いです。あとになって振り返ると、子どもの頃に学ぶことや知ることがおもしろかったのは、自分自身の学ぶ力が強かったからです。
だから、「この子は学ぶ力があるからどこに行っても大丈夫。これからたくさん学んでいける」と、自信を持ってください。そうしたら、子ども自身は、自分に合った選択肢を選びとれると思います。
フリースクールという選択肢もある
学校に通うということ自体が難しいようでしたら、フリースクールも、ひとつの選択肢と考えていいと思います。一緒に考えてくれる人に出会うことは、とても大切です。
文科省の調査によりますと、フリースクールは現在、全国で500カ所ほどあるといわれています。2015年時点で1団体につき平均して13.2人が在籍しています。
13.2人に対し、スタッフの数は2.8人。規模が大きいところもあれば、こぢんまりしたところもあります。
各学校の判断によるのですが、現在フリースクールに通っている子の半数は、出席扱いになっています。通いたいフリースクールに出席扱いの現状を聞くのもいいと思います。
フリースクールの情報については、インターネットで検索するのが一番手軽だと思います。
フリースクール以外の選択肢としては、小学生の場合、児童館や図書館があります。中学生だと公的な場所として教育支援センターがあります。また、小・中学生のなかには、塾を居場所にする子もいます。高校生は、通信制の高校や海外留学を視野に入れるのもいいと思います。
子どもの意思を大切にする
最近、教育の「個別最適化」という言葉が聞かれるようになりました。その子に合った環境を整えることで、子どもは伸びていく、という考えです。
私が思う個別最適化とは、本人の意思を大切にすることです。もちろん、いつもうまくいくわけではなく難航することもあるでしょう。でも、それが人生ですよね。
自分が選んだ環境に身を置くことで、子どもはおのずと最適なルートを歩んでいくと思います。自分に合った環境は、自分で選ぶということが大事ですし、それしか道はないと思います。