また、眠りについた後、最初に深睡眠がやってくるときに、傷ついた体の細胞の修復を行う成長ホルモンの分泌がピークを迎えることも明らかになっています。

一晩の睡眠の流れをみると、深睡眠は眠りについてからの30分、および2~4時間後に出現し、明け方にむけてはレム睡眠が多くあらわれるようになります。

ですから、眠りの初期段階、すなわち眠りについてから4時間以内に深睡眠が十分にとれていないと、脳や体の疲れがしっかり回復しないまま、翌日を迎えることになってしまいます。

「寝ても疲れが取れない」という人は、このサイクルがうまくいっていないということなのです。

前述したように、レム睡眠とノンレム睡眠は約90~120分間隔で一巡するので、4時間の間にノンレム睡眠が起きる回数は、2~3回です。睡眠時間が短くてもぐっすり眠れる人は、その睡眠が良いかどうかは別にして、眠ってから4時間以内に深睡眠が2回以上、しかも長い時間きちんと訪れているのではないかと想像できます。

ベッドルーム
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ぐっすり眠れたかどうかは、朝の脈拍でわかる

ただ、眠りについてから4時間以内に深睡眠をしっかりとれたかどうかは、本格的な機械で計測しなければならず、個人で調べることができません。

最近は、睡眠の質を計るアプリや家庭用の器具もいろいろとありますが、それではなかなか正確な数値は出ないといえるでしょう。

ぐっすり眠れているかどうかのひとつの目安となるのが、日中の状態です。

冒頭のチェックリストでチェックが多く付いた人は、十分な深睡眠がとれていない可能性が高いので気を付けてください。

チェックリストの中の「バタンキューで寝落ちする」のはよさそうに思われますが、実は眠りが足りておらず、脳がほとんど気絶しているような状態で眠りに入っているだけです。

その場合、寝入りはいいかもしれませんが、2回目の深睡眠がとれていない可能性が高いのです。ちなみに、ふとんに入ってから大体10~15分くらいで眠りに入るのが、よい睡眠だといわれています。

もうひとつ、睡眠の質の良し悪しを知る簡単な方法があります。それは、脈拍を測ることです。目が覚め、寝たままの状態で、手首の血管が浮き出ている部分に人差し指と中指をぐっと押し当て、脈の回数を測ってください。

ぐっすり眠れているときは、いつもより脈の回数が少なくなっているはずです。