ダイコンには消化酵素が豊富に含まれている

(2)消化酵素を豊富に含む

胃や十二指腸、肝臓など消化器官からは、消化を促して栄養素に分解する消化酵素が分泌されています。その消化酵素が含まれる食材もいくつかあり、そうしたものを食べると胃での消化も促されて負担が軽くなります。次に挙げる消化酵素はどれも、胃の薬の成分にもなっています。

・脂肪分解酵素のリパーゼが豊富……ダイコン、セロリ、ホウレンソウ、ニンジン、イチゴ、スイカなど。
・タンパク質分解酵素のプロテアーゼが豊富……ダイコン、ゴーヤ、パパイア、ナシなど。
・デンプン分解酵素のジアスターゼが豊富……ダイコン、ヤマイモ、カブ、バナナ、キウイなど。

なお、リパーゼが豊富なオレンジ、プロテアーゼが豊富なタマネギ、ジアスターゼが豊富なショウガなど刺激が強い食材は、逆流性食道炎をはじめ、胃不調、胃疲労のときには不向きです。

ダイコン
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ネバネバしている食材には胃の粘膜を守る作用がある

(3)胃の粘膜を保護する

胃腸の粘液の主な成分を「ムチン」といいます。ムチンのありようは胃の健康を維持するうえで重要です。豊富であるほうがいいのです。食品のうち、ネバネバしているものの成分もムチンであり、これは胃の粘膜を守る、タンパク質の消化吸収を助ける働きがあります。

胃不調の治療薬として医療機関で処方されることが多い「ムコスタ」には、ムチンの増加作用、粘膜修復作用があります。また、「アルギン酸」という海藻類のぬめりの成分は食物繊維の一種であり、ムチンと同様の作用があります。

アルギン酸ナトリウムが食道の粘膜修復と胃酸の逆流防止に効果があることは多くのエビデンスがあり、逆流性食道炎の治療薬のひとつのアルロイドGはこのアルギン酸ナトリウムの5%水溶液でもあります。

海藻のぬめり成分としては「フコイダン」というものもあり、薬理研究が進んでいるようです。近ごろでは便秘対策などのサプリメントや機能性食品としてよく見かけます。

・ムチンが豊富……ヤマイモ、サトイモ、オクラ、レンコン、ナメコなどネバネバしているもの。
・アルギン酸やフコイダンが豊富……ワカメ、モズク、メカブ、コンブ、ヒジキなどの海藻類。ただし、酢のものに調理するのは、酢は酸性度が高いため、胸やけや吞酸を引き起こすことがあるので避けてください。