完璧すぎて余白がない8位、中途半端だった7位
8位 広瀬すず『ネメシス』(日本テレビ系)
今回は探偵事務所の助手役。特殊能力をもち、ポンコツ探偵(櫻井翔)をサポート。事件の謎解きも解説もカンペとインカムで櫻井に指示。
あ、これ、コナン君ですね。アクションもラップもこなし、とにかく器用で完璧なだけに、(特に女性の)共感を得難くなっているような気がする。
そういえば、今年は『あんのリリック―桜木杏、俳句はじめてみました―』(WOWOW)でもラップやっていたっけ。
『学校のカイダン』(日本テレビ系、2015年1月放送)で、いきなり主人公を演じたときは心底感動した。「なんてうまいんだ!」と。耳目を集めるという言葉どおり、一気にスターダムを駆け上った。
でも、完璧すぎて余白がない。うまいけど、心惹かれない、かわいいけど、どうでもいい。今は。
10年後を楽しみにしておく。怪物になるよ。
7位 香取慎吾「アノニマス~警視庁“指殺人”対策室~」(テレビ東京系)
SNSの誹謗中傷や炎上による、いわゆる“指殺人”を捜査する専門部署が舞台。
香取は元捜査一課の刑事で切れ者だが、やりきれない過去を抱えているようで。無愛想と低体温の違いに踏み込めなかったせいか、説得力と深みが足りず、棒読み感が悪目立ち。期待しすぎたか。
喪失感とやさぐれ感を体現した映画『凪待ち』の熱演がとてもよかっただけに、この役は実に中途半端に見えた。
そういえば、新しい地図のメンバー・草彅剛は大河『青天を衝け』でキーパーソンを演じ、稲垣吾郎は『きれいのくに』でトリッキーな役どころで目を奪った。いずれもNHK。
香取もNHK特集ドラマ『倫敦ノ山本五十六』(12月30日放送)で山本五十六役を演じるという。一抹の不安はあるが、最終的には新しい香取をそこで判断しようと思う。