「彼は一番いいポジションですよ」
大臣としては分科会や有識者会議、諮問委員会、アドバイザリーボード等の場で、オフィシャルな発言として言って欲しかったのだ。なにしろ、尾身氏らはそのいずれの委員やメンバーでもあるのだから。
大臣は続ける。「だいたい、岡部先生、彼は一番いいポジションですよ。泥はぜったいかぶんない。尾身先生は目立つから言われるけど、岡部先生だって、ずっと楽観視だった。『大丈夫、大丈夫』って、内閣官房参与が総理に言っていた訳ですからね」私は、やはり岡部氏が「大丈夫」と上に入れていたのかと嫌気がさして、つい大臣に本音をぶちまけた。
「そんなふうに専門家が政治的にやっていたから、この国の意思決定がおかしくなったのじゃないですか」大臣は答えた。「いや、政治に長けた専門家を選んだってことがダメだったんだ。僕から見たら、どっちもどっちだよ。この30年、厚労省が岡部先生を重宝してきたんだ」