「あの男の件があってから、もうトー横には行ってない」
男と一緒にトー横で撮影した動画はTikTokにも投稿され、彼女が通う学校で大きな話題になった。クラスメイトのなかで、「アヤカは児童ポルノで逮捕されたやつと一緒にいる」「売春している」などの噂が広まり、彼女をより傷つけた。相談できる相手は、トー横で知り合った友達だけだったとアヤカは話す。
「メンバーと話すのすごく楽しかった。普段騒げる場所がなかったから、走り回るのも、踊るのも楽しかった。でも、あの男の件があってから、もうトー横には行ってない。今は歌舞伎町で知り合った彼氏と幸せにしています」
男は未成年に手を出し続けていたのが理由か、2021年7月20日以降、SNSに一切の投稿をしなくなった。だがその後、またしても彼の姿をメディアで目にすることになる。2021年10月28日、その男は再逮捕されたのだ。
事件を起こし続けても、男のTikTok人気は続いた
16歳の女子高生と性交し、その様子を盗撮したとして、警視庁少年育成課は、児童買春・ポルノ禁止法違反(児童ポルノ盗撮製造)などの疑いで逮捕したのだ。男は「ストレス発散のためだった」と容疑を認めている。テレビのニュースで「トー横界隈」という言葉が使われた初の事件となった。アヤカのようにトー横に興味をもっていたり、憧れている未成年の少女を言葉巧みに誘い出し、行為に及んでいた男。彼のスマートフォンには複数の児童ポルノ画像や動画が確認されており、同課は余罪を含めて捜査を進めている。
このような事件が連続しても、男のTikTokの動画は人気で、2021年11月7日時点で約2200万回も再生されている。さらにファンアート的に男の写真や動画、逮捕当時の動画を加工したものもSNSには多数アップされ続けている。再逮捕後はさすがに「またかよ」というコメントがあふれていたが、最初の逮捕後は「早く会いたい。○○くん(男の名前)ちゅき。カッコイイ、いけめん、推し、#○君 #○○ #アイラブ歌舞伎町 #いつか会いにいくね #推しです #○○しかかたん」というコメントが動画に添えられていた。
歌舞伎町には青年の髪色やファッションを真似する少年たちがあふれている。男の「二号」と名乗る若者が現れ、最近では五号まで誕生していた。二号の動画ですら、逮捕された男を崇拝するコメントで溢れており、神格化した存在となっていることがわかる。