12分になって8割の時間を使い切ったところで、私がマイクを持って「あと3分しかありません」と伝えます。その後も定期的にアナウンスを行い、時間のプレッシャーを与え続け、最後に5秒から0秒へのカウントダウンを行います。そうすると、彼らは最後の2割の時間で、8割の譲歩をしていることがよくわかります。
立場が弱いときこそ先手を打つ
双方が同じような残り時間しかないときは、どうすればよいでしょうか。興味深い質問は、そんなときに提起されます。
オフィスを賃貸している場合などがそうです。例えば、5年間の賃貸契約があと6カ月で終了し、家主と更新の交渉をしなければならないとします。あなたは、「家主に時間的プレッシャーをかけて、最高の取引をしよう」と考えるかもしれません。「ギリギリまで待って交渉しよう。そうなると、彼にはかなりの時間的プレッシャーがかかる。私が退去すれば、新しいテナントが見つかるまでの数カ月間は空室になることがわかっているだろうから」と。
それは素晴らしい戦略に思えるかもしれません。家主があなたに時間的プレッシャーを与えるために、ギリギリまで交渉を拒否することと、何の違いもないことに気づくまでは。
そこには、双方が同じ時間的期限に近づいているという状況があります。どちらの側がタイム・プレッシャーをかけるべきで、どちらの側がそれを避けるべきでしょうか。答えは、力の強い側はタイム・プレッシャーをかけることができますが、力の弱い側はタイム・プレッシャーを避け、期限よりも十分前に交渉するべきです。
「私と向こう、どちらが優位?」見分ける方法は
では、誰が一番パワーを持っていますか。選択肢が多い側が最も力を持っています。賃貸の更新交渉が成立しない場合、誰が最も多い選択肢を持っているのでしょうか。
これを判断するには、1枚の紙を用意して、真ん中に線を引いてみましょう。左側には、賃貸の更新ができない場合のあなたの選択肢を書きます。他にどのようなオフィスが空いていますか。転居コストは高いのか安いのか。電話機を移設したり、新しい印刷物を作ったりするのにどれくらいの費用がかかりますか。移転してもお客様に見つけてもらえますか。
次に、ページの右側に、家主の選択肢を列挙してください。このビルはどのくらい特殊ですか。新しいテナントを見つけるのはどれだけ大変でしょう。もっと高い金額を払ってくれるでしょうか。それとももっと安い金額になるでしょうか。新しいテナントを満足させるためには、修繕や改装にどれだけの費用をかけなければならないですか。