無反応がいちばんの“仕返し”

では、もし自分がネット上で攻撃を受けたら、どう対処したらよいのでしょうか。

絶対にしてはいけないのが、「言い返す」ことです。

相手の攻撃に反応して言い返すと、相手はもっと攻撃したくなってしまう。相手の存在を認めて、相手の承認欲求を満たすことになってしまうからです。言い返すことは、相手の「攻撃したい欲求」を刺激する信号になるので、どんどんエスカレートします。でも相手にしなければ、相手は寂しくなるばかりです。それこそが一番の防御であり攻撃です。

もしネット上でからまれた場合は、先ほどご説明した、正義感タイプ、炎上参加型といった「ネットで攻撃してくる人の人物像」を想像してみてください。そして、「承認欲求が強いんだろうな」と考えながら相手の書き込みを読み直してください。心を落ち着けて、どうすべきか考えやすくなると思います。

こうなると、どちらが正しい、正しくないという問題ではないのです。とにかく何も言わないことです。「君子危うきに近寄らず」です。ブロックやミュートなどSNSの機能を使って、無反応に徹するのがいちばんの対策となります。

とはいえ、今はそれで自殺する人もいる世の中です。「プロバイダ責任制限法」という法律ができて、加害者を取り締まることに国も前向きな姿勢を示していますから、あまりにひどいときは、弁護士など法律の専門家に相談するという選択肢を持っておきましょう。泣き寝入りする必要はありません。

「息を吸って吐くように」ブロックする

私自身は医療界ナンバーワンの「ブロッカー」を自称しています。ツイッターでも、理不尽にからんでくる人に対しては、息をするかのごとくブロックしています。相手にしないようにしています。

もともとSNSでからんでくる人は、一生会うこともない人なので、相手にするだけ損。精神的に疲れるばかりで、いいことは何もありません。

ブロックすること、無視することが相手への何よりの攻撃になります。だから、どんどんブロックしていけばいいのです。