ボロ戸建ては圧倒的に割がいい

不動産投資においては、よく「表面利回り」という言葉が使われますが、これは年間の家賃収入を物件の購入価格で単純に割っただけ。ボロ戸建て投資においては、物件価格に対してリフォーム代などの諸経費の比率が高いので、「実質利回り」を考える必要があります。複雑そうに書いてしまいましたが、次の計算式を見ればわかりやすいです。

実質利回り=(「年間家賃収入」-「年間経費」)÷物件の購入価格×100
※年間経費には、固定資産税などの諸税、リフォーム費用を含みます。

通常の不動産投資の場合、たとえば2000万円の戸建て物件を購入し、10万円の家賃で貸し出し、年間経費が12万円ほどと想定すると、実質利回りは5.4%となります。

一方、50万円で購入したボロ戸建てを、底値に近い3万5000円で貸し出すケースをシミュレーションしてみましょう。この場合、1年目のリフォーム費用と物件の維持にかかるコストを合わせて年間30万円と仮定すると、実質利回りは24%です。そしてリフォーム代が大きくかかるのは1年目だけですから、翌年以降は負担は減ります。

どうでしょうか。ボロ戸建て投資は、通常の不動産投資に比べて、圧倒的に割がいいのがわかると思います。

しかもここで挙げた例はかなり悲観的に見積もった数字です。少し工夫をすれば、より安い価格で物件を購入し、底値よりも高い価格で客付けができるようになり、リフォーム費用はDIYを覚えることによっていくらでも低く抑えられるため、当然のことながら、その分の利回りはアップします。

外壁が落ちた65万円の物件
筆者撮影
海の近くという立地にひかれて65万円で買った物件は、外装がひどかった。建物の外壁は、防水塗装の寿命が切れると、外から水をどんどん吸ってしまう。そうすると材料は傷み、それらを固定していたクギもゆるみ、最終的には強い風が吹いたときに外壁が丸ごと落ちてしまう。

万一失敗しても「中古車一台を事故で失う」程度のコスト

一般的な不動産投資の場合、そもそも物件の購入費用が割高であるため、投資コストを回収するには、家賃をできるだけ高く設定しつつ、客付けも抜かりなく行う必要があり、綿密な戦略が必要です。

ボロ戸建て投資の場合は、物件の購入費用が圧倒的に安く、投資コストを回収するのに時間がかかりません。また、客付けに苦戦しても、最悪、家賃を底値(3万円)近くに落とせば、ほぼ確実に決まります。また、とりあえず年間経費を減らすことに専念すれば、利回りはぐんぐん上がっていくので、込み入った投資戦略を考える必要もありません。

万が一失敗しても、コスト的には「中古車一台を事故で失った」のと変わりませんから、心理的なダメージも少なくて済みます。

これらの点を踏まえて、もう一度言います。ボロ戸建て投資は、誰でもすぐに始められて、高い確率で成功を手にできる、イージーゲームなのです。