アフリカでワクチン普及に取り組む日本人商社マンがいる。トヨタグループの総合商社、豊田通商の中川興さんだ。今年3月には、考案した「ワクチン保冷輸送車」が世界で初めて世界保健機関(WHO)から認証を受けた。「民間にしかできないことがある」と語る中川さんを、ライターの伏見学さんが取材した――。

ワクチン普及に人生を捧げたある商社マンの軌跡

毎年400億円分のワクチンが捨てられ、150万人もの子どもの命が奪われている——。世界で起きているこの事実をご存じだろうか。

主な原因は、予防接種用のワクチンを保管、輸送する際の温度管理にある。