iDeCoの金融機関選びのヒントは「自分の経済圏」

さらにiDeCoで積み立てたお金は60歳以降、70歳までの間で受け取ることができるのですが、今度の改正で運用期間が75歳まで延長されます。お金に余裕のある方は極力運用期間を長くしてお金を育て、受け取りを後ろ倒しにしていくといいでしょう。

さらにこれまでは企業型確定拠出年金(企業型DC)に加入している方のほとんどはiDeCoに同時加入ができませんでしたが、改定によってこの壁も取り払われることになります。

現在、さまざまな金融機関が参入しているiDeCo。金融機関を選ぶ際には、自分の「経済圏」とリンクさせると、お得になる可能性があります。

たとえば楽天証券では楽天での買い物に使えるポイントが付与されたり、イオン銀行ではイオン銀行のMyステージポイントが付与されたりと、各社がさまざまなサービスを展開しているのです。生活スタイルと合わせて検討してみるといいでしょう。

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写真=iStock.com/winhorse
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まずはつみたてNISA、月1万出せるようになったらiDeCoも

ではいつからiDeCoやつみたてNISAをはじめるのがベストでしょうか。

まずiDeCoは60歳まで引き出しができない、という大きな特徴があります。さらに掛け金は5000円から始められますが、毎月手数料がかかります。ネット証券が最安値で、大手の証券会社になると金額が高くなり、その差は年間にすると5000円程度差がついてしまいます。手数料が高ければ高いほど、掛け金が少額の場合、運用効率が悪くなってしまいます。

iDeCoの場合、「月1万円以上投資できるか」をひとつの目安に、スタート時期を検討するのがおすすめです。

一方、つみたてNISAは手数料もかからず、掛け金100円からできていつでも引き出し可能なので、若い方はまずはつみたてNISAからはじめて、余裕ができたタイミングでiDeCoに参入、というのがいいかもしれません。

ちなみに、親世代もつみたてNISAには加入可能ですが、長期にわたってコツコツお金を育てることで効果を発揮する投資のため、やはり「寿命」問題が出てきてしまいます。

両親の老後資金に不安を感じている方がいたら、まずは国のサポート制度や親御さんの暮らす自治体で受けられる行政のサポートを聞き、情報収集しておくことをおすすめします。