※この連載「高山一恵のお金の細道」では、高山さんのもとに寄せられた相談内容をもとに、お金との付き合い方をレクチャーしていきます。相談者のプライバシーに考慮して、事実関係の一部を変更しています。あらかじめご了承ください。
本人 16年前:会社員 年収800万円→現在:専業主婦
夫 16年前:会社員 年収1000万円→現在:会社員(まもなく定年退職)年収500万円+退職金1500万円
子供 高校(私立)1年生
住まい 16年前:賃貸マンション(家賃12万円 ※管理費等込)→現在:賃貸マンション(家賃20万円 ※管理費等込)
妻は38歳、夫は48歳で結婚
2019年(※)の平均初婚年齢は、夫が31.2歳、妻が29.6歳。1975年には夫が25.7歳、妻が24.7歳だったので、着実に「晩婚化」が進行していると言えるでしょう。初婚年齢と共に出産年齢も上昇し、結婚した女性が第一子を産んだ平均年齢は30.7歳となっています。
お金の面で「晩婚化・晩産化」を見た場合にも、気をつけたい点がいくつか存在します。今回は16年ぶりに私のもとへ駆け込んできた金城さん夫婦(仮名)のSOSから、その問題点を考えてみたいと思います。
※内閣府「令和3年版 少子化社会対策白書 全体版」
田村未知子さん(仮名)は38歳の時、48歳の金城聡さん(仮名)と結婚しました。未知子さんは外資系コンサル業界で管理職として働いており、16年前の当時の年収は800万円。夫の聡さんもメーカー勤めの管理職で、1000万近い年収がありました。
バリキャリとして働いていた未知子さんでしたが、結婚を機に退職。連日の深夜残業や仕事へのプレッシャーに疲れきっていた彼女にとって、「結婚」は仕事を辞めるいいきっかけだったそうです。
年齢的なこともあり、金城さん夫婦は結婚後すぐに子作りを開始。高齢妊娠というリスクを乗り越えて無事に子供を出産できました。これは晩産ご夫婦に通じる点かもしれませんが、お子さんを「孫」のように愛で、猫可愛がりする方が多い気がします。金城さん夫婦もまさにそうで、幸せ全開といったご様子でした。
妻は退職していたが、子供は小学校から私立を希望
初めてお会いしたのは、未知子さんが妊娠中のタイミングです。すでに子どもの教育に並々ならぬ情熱を抱いていて、教育プランでのご相談でした。彼女は仕事を辞めていたので、世帯年収は聡さんの年収である1000万円。小学校から私立も視野に入れたいということでしたので、お稽古ごとにあまりお金をかけすぎず、月3万円くらいまでに抑えて、メリハリをつけてやっていきましょう、というお話しをしました。
それから月日は流れ、16年ほど経った最近、未知子さんが再び私のもとにご相談にこられたのです。高校一年生になったお子さんは大学附属の有名私立に通っているそうで、教育ママとしての役目も一段落したようでした。
そんな彼女が、とても言いにくそうにぽつりぽつりと語りだしたのが、まさに「教育費」の話でした。