GAFAで活躍した人材を採用

MLB機構や各球団では、デジタル化にあたって、NASAのエンジニアや、GAFAで活躍したデータサイエンティストやコンサルタントなどを採用しており、球団オーナーやGMには、弁護士や投資銀行出身者なども多い。こうした多様な人材が、データを活用した経営を実践しているのだ。

MLBは、スタットキャストの活用、シーズンチケットの優遇、球団の拡張といった形で、①デジタル化、②サブスク化、③拡張化に注力することで、収益の拡大にも成功している。

GAFAには、最先端のデジタル技術を用いた商品やサービスにより顧客を惹きつけ、定額サービスなどサブスク化により顧客を囲い込み、既存サービスのアップデートや新商品などの提供により拡張を続ける、といったビジネスモデルで躍進してきたが、まさにMLBもGAFAの経営の強みを取り入れているのだ。同時にMLBは、多彩な人材を採用し、収益分配制度などにより、多様化し公平性・透明性ある経営に成功し、持続可能な成長を実現しつつあるといえよう。

テレビのリモコンを手に野球観戦
写真=iStock.com/Yurdakul
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NYヤンキースは約5775億円の資産価値

実際のところ、フォーブスによると、「世界で最も価値あるスポーツチーム」となったNFLのダラス・カウボーイズ(推定資産価値57億ドル)に次いで、MLBのニューヨーク・ヤンキースが昨年より5%高い52億5000万ドル(約5775億円)で2位につけている(World's Most Valuable Sports Teams 2021 [forbes.com])。4位、5位となったスペインサッカーリーグ(ラ・リーガ)のFCバルセロナやレアル・マドリードよりも上だ。その他、16位には、ロサンゼルス・ドジャース(35.7億ドル)、20位ボストン・レッドソックス(34.7億ドル)、22位シカゴ・カブス(33.6億ドル)、28位サンフランシスコ・ジャイアンツ(31.8億円)、47位ニューヨーク・メッツ(24.5億ドル)と続く。