Z世代を取り込んだ『13の理由』
クリエイターのみならず、Z世代の視聴者を取り込んでいくことにも余念がなかった。デジタルネイティブの若者たちを熱狂させた、10代の青春を描く『13の理由』がまず挙げられる。若者のいじめ、レイプ、自殺といったセンセーショナルな題材を扱うその内容について、オリジナルシリーズ部門のバイスプレジデントのブライアン・ライト氏は語る。「『13の理由』が世の中に出ることで、若者と大人が重要な課題に対する会話を始めるきっかけとなるのではと感じた」と、脚本が上がった時に確信したという。実際、ドラマで描かれる10代のリアルな姿は現代社会に問題を提起するものになった。
ネットフリックス・オリジナルは、ドラマから映画、ドキュメンタリーへと広がり、リアリティショーまで、ヒット作品を次々生み出していく。セクシュアルマイノリティを総称する「クィア」な5人組の視点で、応募者の人生をキラキラに改造していく『クィア・アイ』もその代表格である。『ハウス・オブ・カード』の成功から始まり、数々の世界ヒット作を経て、ネットフリックスはわずか10年足らずでメジャースタジオと並ぶまでに上り詰めていく。