失敗を人のせいにすると成長機会と信頼を失う

ただ、適正なギャランティを受け取り、覚悟と責任をもって仕事に臨んでも失敗することはあります。

そんなときに大事なのが「人のせい、環境のせい」にしないということです。これは必ず結果を出す人に共通していることでもあります。

本来、人生のあらゆる結果は、すべて自分の責任です。何が起こっても、環境や他人のせいではなく、「そうする」と決めた自分の責任です。

何かがうまくいかなかったとき、「失敗したのは、自分のせいではなく、◯◯のせいだ」と、誰か/何かに責任を押し付ける人がいます。

誰か/何かに押し付けておけば、自己評価を下げずに済みます。自己保身にもなる。ですが一方で、誰か/何かのせいにばかりしていると、次の「2つ」を失いかねません。それは「成長機会」と「信頼」です。

失敗の原因を「外」に求めると、自分の選択、判断、行動の結果を検証する機会を失います。それは、成長機会を失うことと同じです。

結果を出し続ける人は、問題の原因を「自分自身」(自分の行動や思考)にあると考えます。

そして、「このやり方はうまくいかないことがわかった。別のやり方を試そう」「このやり方が失敗した原因を分析しよう」と、PDCAサイクルを回す。だから同じ失敗を繰り返しません。

結果の原因が「誰か/何か」にあると捉えるか、それとも「自分」にあると捉えるかによって、成長速度は大きく変わります。

「自分にある」と捉える人は、改善のアクションを図るため、成長サイクルを早く回すことができます。

握手をする人
写真=iStock.com/AzmanL
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「人のせいにしない人」にこそ信頼は集まる

誰か/何かのせいにしておけば、ミスに対する一時的な損失を避けることができます。ですがそれが発覚したとき、周囲の反感を買います。

仮に、ミスの原因が「自分」にはなかったとしても、「自分にできることは本当になかったのか」を問い直せる人に、信頼は集まります。

周囲の信頼を得られるのは、「失敗しない人」ではなく、「失敗を人のせいにしない人」です。

自分自身を冤罪えんざい化しないこと。

自分以外の何かに責任を転嫁すると、一時的に気持ちがラクになります。その間だけは、不平不満が解消されます。憂さ晴らしにもなる。

ですが、それでは問題は解決しません。うまくいかなかった原因の多くは、「外」ではなく、自分自身にあるからです。

そこに手をつけないかぎり、成長は望めない。私はそう思います。