使えるお金はあるのに「無駄遣い」をしない

高給取りで家族もいない彼女たちは、自分のためだけに使えるお金が非常に多いです。ゆえに、毎日外食で高級ブランドの洋服を買い揃えて……と想像されるかもしれませんが、無駄遣いをしている人はほとんどいません。

大手出版社の編集者・高木さんの趣味は読書で、「今月、本買いすぎちゃいました‼︎」と連絡があっても、せいぜい10万円。彼女の手取り月給70万円からすれば、まったく問題ない範囲です。

唯一、皆さんがお金をかけているなと思う部分は、健康面でしょうか。ジムで定期的に汗を流し、体にいい食材を使って自炊する。これはもう、ハードワークゆえの体力作りという面と、貯金と同じで、先行き不安に備えているのだと思います。

ただ所得が多いからか、医療費控除を一度も申請したことがなかったり、携帯はキャリア携帯のままで毎月数万円の電話代を払っていたりするので、そういった点は私から細かなアドバイスをさせてもらっています。

皆さん真面目なので、投資の知識を教えるとすぐに取り組むし、ギャンブル要素の高いものには手を出さず、コツコツ地道に貯められるんですよね。努力できる人たちなんだなあと感心します。

人間のシルエットと野菜
写真=iStock.com/Prostock-Studio
※写真はイメージです

シングルで頑張って、最期は老人ホームで迎えたい

高木さんや原さんのように、積極的に独身を貫く女性たちは、自分の人生の中に「不確定要素」を入れないようにしているように見えます。

「結婚すると夫の趣味や家族計画に影響を受けざるを得ない。それによって、自分の思い描く資産形成が阻害されるのが我慢ならない」

「今は離婚する人も多いから、なおさら結婚はお金と時間の無駄」

彼女たちと話すと、よくこんな言葉が聞かれます。今のところの彼女たちの不確定要素は老後、それも「孤独死」については皆、心配しています。だからシングルでいけるところまでは頑張って、最期は老人ホームで迎えられるよう、せっせと貯金をしているんです。

ファイナンシャル的な視点で言えば、結婚で世帯収入が増えればマイホーム購入の際に選択肢の幅が広がる可能性が高いですし、貯蓄だって、互いにお財布の中身を開示し合って効率よくお金を貯めることも可能です。

要は、家庭における資産形成は相手とのコミュニケーション次第であり、「結婚=自分のお金が相手に搾取される」ではないんですよね。