「グッド!モーニング」が高齢者に人気なのにはワケがある

さて、年寄り(私)が大好きなテレ朝は「グッド!モーニング」は最も地味で話題になりにくいが、固定客が付いている限り盤石(固定客が生きているうちはな)。

熟年ベテランの坪井直樹&飯村真一アナ、そしてお天気は生中継で観光地紹介も兼務する依田司という安定感。この顔ぶれ、何十年も画面で観ている気がする。

他局よりもスポーツ、特にプロ野球へのこだわりは強い。日替わりで元アスリートのスポーツコメンテーターを呼んでいるのはここだけ。

往年の「やじうまワイド」的手法、つまり新聞各紙の見出しと記事を紹介するコーナーも短めだが健在(あれ、身を粉にし足を棒にして記者が書いた記事をしれっとテレビでかっさらう割に、新聞社へのペイが雀の涙と聞いたことがあり、阿漕やなと思った記憶が)。

ただし、掘り下げるネタは他局と比べて知的水準が高め。ノーベル物理学賞を受賞した真鍋淑郎氏のニュースは、他局が周辺取材に重きを置く中、気候モデルを真面目に解説していたもんね。他局のように「どうせ解説してもわかんねーからスルー」とはしなかった。視聴者をナメていない証拠でもある。

テレビ朝日のグッド!モーニングウェブサイトより
テレビ朝日のウェブサイトより

また、ニュースも他局に比べてワールドワイド。フランスのカトリック教会での性的虐待や中国でのドローン大量落下など、他局が落とすネタもそれなりに拾う。

意外と強いのは、被害者目線のニュースネタ。主に監視カメラやドライブレコーダーの映像を基に、被害の状況を訴えるニュースが多め。店先の鉢植えを蹴り落されたとか煽り運転でひどい目に遭ったとか、個人的な訴えを真摯にすくう傾向も。ほら、年寄りは「義憤」が大好きだからね……。

エンタメは日テレとフジに比べれば弱め。キリのいい時間にはドラえもんとクレヨンしんちゃんに頼るものの、功を奏してない。

唯一、若い情報担当の新井恵理那アナのコーナー「新井恵理那のあら、いーな!」が奮闘。

つっても他局もやっている新商品紹介なのだが、注目したいのはテレ朝アナウンサーが駆り出されて小芝居をうつ点ね。商品紹介のために小芝居させられるアナウンサーたちの心の闇をおもんぱかる数分間。

他局と大きな差をつけた「THE TIME,」の特徴

そこにTBSがぶちこんだのが「THE TIME,」だ。大きな特徴は3つある。

まず、気象情報に力を入れている。スタジオ内はタイムラボと呼ばれるブースがあり、17人の気象予報士が在籍、3人以上はスタジオに常駐。巨大スクリーンを配置、全国54カ所のライブカメラとつなぐ(NASAともつながってるらしい)。

次に、系列局との生中継を毎日2カ所つなぐ点。各地の情報を系列局のベテランアナウンサー(意外とくせ者多し)が伝え、安住&香川がつっこむ構図。秒刻みの時間配分で生中継となると、ハプニングやトラブルも想定される。

これを回収できるのは安住アナならでは。臨機応変に丁々発止を見せようという「賭け」である。