いじめや性被害などに遭った子どもたちが著名YouTuberに悩みを打ち明けるケースが相次いでいる。なぜ身近な大人よりも、ネット上の著名人を頼るのだろうか。成蹊大学客員教授の高橋暁子さんは「今は大人も匿名性の高いネット上で相談する時代だ。セーフティーネットの一つといってもいいのではないか」という――。
机に隠れてスマホを操作する女生徒
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TikTokの「#悩み相談」動画は1.6億回再生

今年1月に発覚した元YouTuberワタナベマホト氏の児童ポルノ事件で、被害に遭った15歳の女子高生ファンが相談した先は、別のYouTuberコレコレ氏だった。コレコレ氏は視聴者からの相談を生配信で解決する姿が人気となっている。

コレコレ氏いわく、相談者は10~20代が中心。ネットを通じた性被害や詐欺、いじめなどの相談が多く寄せられるという。

他のSNSでも、若者を中心に悩み相談をしている例はとても多い。TikTokでは「#悩み相談」は1億6450万回再生、「#お悩み相談」は5730万回再生、「#悩み相談室」は2590万回再生の人気ぶり。Instagramでも相談アカウントがあり、メッセージや動画で悩みに回答するものをよくみかける。

たとえばTikTokの動画では「悪口を言われてしまうのはなぜか」という質問に対して、ひろゆき氏が「幸せだから陰口を言われている。陰口は自分より上の人に言うもの。陰口は言われる方が幸せ」などと回答している。このようにポジティブになれる回答、考え方や見方が変えられる回答などが人気のようだ。