カットのみ3500円、シャンプー1000円、毛染め&パーマ7000円

そんな現場を見、しかも理美容師の資格を持っていた土屋さんは「訪問カット うさぎ」という事業所を立ち上げ、訪問での理美容を始めました。

しかし、町の理美容室のように設備の整っていない自宅で、どのようにカットや調髪などを行うのでしょうか。

「カットする場所はおのおののご自宅の環境を見て対応します。浴室や洗面所が広いお宅なら、そこを使いますし、そこが無理なら居室でも大丈夫。髪を極力落とさないノウハウはありますし、落ちたとしてもご迷惑がかからないようしっかり掃除をして帰ります。寝たきりの方でもベッドにシートを敷くなどして対応しています」

シャンプーも利用者の要望や自宅の環境によって数種類の方法を用意しているそうです。

「水が使えないお宅では、濡れたタオルでふくだけでよいドライシャンプーを使いますし、お湯を吹きつけると同時に吸い込んで、お湯を一滴もこぼさない“ルームシャンプー”や、しっかり水お湯でシャンプーする移動式のシャンプー台を使うこともあります」

カラーリングやパーマも専用の薬と機材を使い、理美容室同等に仕上げるとのこと。そのため訪問時は必要な機材や用具一式を詰めた大きなバッグを2つ持って行くといいます。

年配の女性がつえを握って腰掛けている
写真=iStock.com/Cecilie_Arcurs
※写真はイメージです

ところで、気になるのは料金です。自宅までプロの理美容師が来て髪を整えてくれるのです。加えて訪問理美容はホームヘルパーの訪問介護などと異なり介護保険の適用外。つまり料金は全額自己負担ですから、かなり高額になると思われるのではないでしょうか。

訪問理美容サービスの料金はいくらぐらいなのか。

町の美容室、理容室も店によって料金が異なるように、訪問理美容の料金設定も事業者によってまちまちですが、大体の相場はあるようです。

一例として土屋さんが運営する「訪問カット うさぎ」の料金設定を紹介しておきます。カットのみが3500円、シャンプーが1000円、カラーリングとパーマはカット込みで各7000円から。これは出張料を含む料金で訪問の距離によって多少の増減はあるそうです。

全国展開しているある事業者の料金表を見ると、カットが4000円、シャンプーが1000円と土屋さんの料金とほぼ同じ。ただし出張料は別にかかるようです。もっとも、この程度の金額なら町の理美容室と大きな差はなく、むしろ割安感があります。

なお、自治体によっては管轄地域の要介護者を対象に「理美容券」を支給するケースがあります。市区町村が独自に行っている補助のひとつで額面は1000~5000円程度と幅がありますし、対象も要介護度によって区切られるといった条件つきだったりしますが、住んでいる地域に補助がある場合、利用しない手はありません。訪問理美容の利用を考えたとき、役所に理美容の補助があるかどうか、問い合わせてみるといいでしょう。