世の中を覆う「品行方正」を求める空気

先の長いトンネルのようなイメージでいたコロナ禍ですが、これはどうやらトンネルではなく、地下鉄だったのではと思う今日この頃でございますが皆様方いかがお過ごしでしょうか?

「明かりが見え始めた」と言った菅さんが辞任しましたが、辞任すること自体が「明かり」という自虐ネタだったのかと勘ぐっています。そんな中ゴールデンボンバーの鬼龍院翔さんの妻となる女性以外の方との「二股交際」が報じられました。ネットではその対応をめぐり、歌のタイトルにちなんで「女々しくて」と批判されているようですが、不倫やら女性問題に限らず、昨今、芸能人や芸人、スポーツ選手など著名人に対する「品行方正」を求めすぎる空気が満ち溢れているような気がします。

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写真=iStock.com/DKart
※写真はイメージです

最近ようやく復活し始めたチュートリアル徳井さん、逆風の中東京オリンピックにも出場した瀬戸選手などの「しくじり」は記憶に新しいところです。ま、「トイレでコトを済ませてしまっていた」ことが暴露された擁護しにくい方を差っ引いても、特に芸人などはもともと「世の中の常識から外れること」からその芸風を確立させてゆくのが仕事なのですから、なんだか処刑しすぎだなあという違和感を覚えるのが正直な気持ちです。ま、あれって、「トイレでのことなのに水に流せないこと」ではありましたが(笑)。

無論、不倫は悪いことです。失うものや傷つく人が発生するはずの行為ですから慎まなければなりません。断罪されてしかるべき行為ですが、それとて、それは「当事者同士の間で処理されるべき案件」ではないでしょうか? 少なくともこと不倫に関しては、鬼龍院さんの奥さんになる人、あるいは瀬戸選手の奥さんが被害者で、そして不倫相手こそが一番の「当事者」なのですから、彼女らの釈然としない気持ちと感情の処理さえ上手に緩和させることができたら、もうOKだよという風になればいいのになあとつくづく感じます。

実際、その後、瀬戸選手の奥さんはその毅然とした対応が好評のようでテレビにも出演しているようですし、「車の中でコトに及んだことがバレた」俳優の原田龍二さんの奥さんも、同じような対応をしたことが視聴者に受け入れられたようで夫婦円満にコマーシャルにも出ています(「車とトイレ」と場所が違うだけでその後の印象が全く異なるのは、やはり「ブレーキ」の有無でしょうか)。

昔の話を蒸し返しようで失礼に当たるかもしれませんが、ダウンタウンの浜田さんの過去の不倫問題も、浜田さんの親しまれるキャラもさることながらやはり奥さんの度量あふれる包括力で結果的に難を逃れました。

長くなりましたが「不倫問題」は、要するに「当事者同士での解決」こそ肝心なのではという私なりの結論です。