08年7月、イトーヨーカ堂で大ヒットしたキャンペーンがある。買い上げ金額の合計5000円ごとに、ガソリン1リットルにつき10円の割引券をプレゼントする。ねらいはあたり、期間中の既存店全店の売上高が前年同期比で2割増えた。

<strong>鈴木敏文</strong>●セブン&アイ・ホールディングス代表取締役会長兼CEO
鈴木敏文●セブン&アイ・ホールディングス代表取締役会長兼CEO

仮に5000円の買い物をし、割引券を使ってガソリンを50リットル買えば、500円得する勘定だ。買い上げ金額の「1割引き」とどう違うのか。

「一般的な経済学では、どちらも理屈は同じと考えます。しかし、心理学で考えると顧客の感じ方は違ってきます。ガソリン価格が上昇を続ける中で、ガソリン代の負担を少しでも軽減しようとする仕かけが顧客の心理を刺激し、支持されたのです。

(尾関裕士=撮影)